イヌ氏のミルクの話 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

イヌシ『f』という喫茶店で蜂蜜入りのホットミルクを飲むのは、いつも職場で嫌味を言われた日だ。「でくのぼう」だの「かかし」だの「ひまじん」だのと言われて、くさくさした心をあたたかいミルクの湯気が包んでくれる。湯気は真っ白だ。

警備という、長時間同じ場所に突っ立ったままのオイラの仕事は
体力的にもつらい、が。

ごくろうさま

週に2~3度、
オイラの前を通り過ぎる人が
あいさつを残していく。
それだけのことだが、嬉しい。

ホットミルク。
家でも簡単に作れるものを、
わざわざ20分も歩いて『f』で飲むなんて
実に酔狂なことだと自分でも思うが、
カップに溶けている蜂蜜は
見ず知らずの人からかけられる
「ごくろうさま」と同じ濃度があると、
ある日の深夜、イヌ氏は私の部屋で笑った。


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