A.I. その2 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

子役の必須技“ハの字眉”。
見よ、この黄金の角度。
絵を見てるだけでも泣けてきまへん?


天才子役と評価されているハーレイくん、
(今は何歳になったのか、まだ“子役”なのか)
『大人のご機嫌取りに長けた子』という
斜めから見た物言いを差し引いたとしても、
うまい、演技。
でも、お子ちゃまの部分が確実に残っているあたしが、
意地悪くザクッといってしまうと、
あたしはハーレイくんが あまり好きではない。
考えてみれば映画やTVや雑誌の業界だけだ、
“子役”という不思議な職業が存在するのは。
舞台演劇では『アニー』や『ピーターパン』、または、
歌舞伎のように本当の子どもが登場する演目もあるが、
たいていの場合、大人が子どもの役を演じてる。
当然、その様は不自然だけど、いい舞台の場合、
“大人が演じる子ども”は演技の巧さや熱意でもって、
そのチグハグを補い、不自然を自然へと変えてしまう。
だからといって、子どもが演じるプロの子役が良いとか、
大人が演じる子ども役が良いとか、
一様に判断するなんて出来ないけれど、
ときどき、映像やグラビアで
上手に泣いたり笑ったりしている子どもたちが、
我がままな大人に演技させられている被害者に映ってしまう。
ただ、ハーレイくんのように、演技が大人以上となると、
本人も自身の身の上を納得したうえで、
「まな板の鯉」になっているような気がする。
少なくとも、『A.I.』撮影時のハーレイくんは、
まったく子どもではない、並の大人以上に立派な大人。
‥‥と、ここまでゴタクが長くなってしもたわぃ。

バクッといってしまうと、
あたしの苦手なハーレイくんであるが、
『A.I.』ではバッチリ!
“愛”という思考回路をインプットされたうえ、
姿が人間と寸分違わぬという“気色悪いロボット役”を
リアルに演じられるのはハーレイくん以外に考えられない。
(それはあたしがハーレーくんを気色悪いと思ってるから)
ただし、あたしが観たのは日本語吹き替え版だったので、
オリジナルのハーレイくんとは また違うだろうけど、
ハーレイくんの“人とは思えない凍った目”は すごい。
観ていて ゾワッと鳥肌がたち、目が痛くなり、
ついには こう思った、
「この子には死相がでてる、もう死ぬしかない」。
だから『ピノキオ』のように、
人間によって作られた お人形が、
人間に生まれ変わって めでたしめでたし、
なんてことは あり得ない、あるのは「死」。
そうでないと、ロボットを発明した人間が、ロボットを使って
別の人間の愛をコントロールすることをも可能になるし、
それを あたしは とても危険なことだと思う。
「愛を認識するよう開発されたロボット」だなんて、
道楽にもほどがある。 百万馬力のアトムの結末を見よ。

『A.I.』は、だから、
ハーレイくん演ずるロボットのデイビッドが
インプットされた「愛という使命」を果たすべく
「ママの愛」を求めてさまよう未来版ピノキオであり、
かつ、ロードムービーであって、
その使命を彼が果たせなかった場合は、もしくは
「愛をあきらめる」などといった、
思考回路外の感情を認識してしまった場合は、
破棄されるか、オーバーヒートで
自爆するしかないという大前提を真っ当しきった映画で、
たとえロボットが人間の姿をしていようと、
たとえ愛という事情を認識していようと、
所詮は機械なのだから、映画のラストでディビットが
眠ったのか、死んだのか はなはだ疑問が残るシーンは、
A.I.の悲劇を招いた張本人である人間の
愚かしさを柔らげるための、
スピルバーグ監督が最大限に夢を持たせた終わり方だと、
あたしは受け取った。 あー長っ。
ということは、手垢にまみれた表現になってしまうけど、
愛などというものは、
便利に“あい”と名付けて定義されているけれど、
所詮は“不確かなもの”に過ぎず、
1+1=2 というように正解は ひとつではないのだから、
1+1が 3 だったり、時には100 だったり、マイナスだったり、
場合によっては答が出なかったりして、
予想もつかない感情がわきあがるものだし、それが人間だ。
そやから、愛なんて複雑でありシンプルなものを
浅はかな人間が機械化できるなんてこと絶対にないし、
ハーレイくんが演じた「愛型ロボット」の真実の末路は
スクラップ破棄しか あり得ない、というのが あたしの本音。
             (どうやらまだつづくらしい)

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相方へのツッコミ
でこはオッサンを描かせたら天下一品や、
それと癖のある役者も上手い、ハーレイくんも、
えなりくんもソックリや、そやけど‥‥
どうやら美女は あかんみたい。というか、
女のボキャブラリーが少なすぎ!
そのダコタはなんや~! やる気なしか~!
‥‥どうやら相方は、漫画家のあだち○や
松本○士と似たようなタイプのようだ。

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