いきなりバラックな写真です(笑)
これは、サンスイのAU-α607MRです。
フロントパネルを外した姿です。

今回は、AU-α607MRのメンテ(気になるところだけですが)をしました。

まず、最初にやったのは、フロントパネルを外すことではなく、スピーカーリレーの交換です。
前回は、元々のスピーカーリレーを分解してクリーニングしましたが、やはり小音量の時に音が右から出なくなる症状が完全には治らないので、新品のリレーと交換します。

交換するリレーは、

これ、OMRONのG2R-2 24Vです。
このリレーは、秋葉原の田中無線さんで1個410円で売ってます。
探せばもっと安く買えるかもですが気にしない(笑)

さて、このG2R-2ですが、そのままでは使えません。


左がG2R-2で、右が607MRに元々付いていたリレーです。
ちょっと分かりにくいですが、G2R-2の足は片側4本に対し、元々のは3本です。
これでは物理的に基板に装着出来ません。


真ん中の2番と7番pinが邪魔なので、

このように手前に折り曲げてしまいましょう(笑)
カットしてしまってもいいのですが、今回は折り曲げました。
これで、交換するリレーの準備が出来ました。

では、607MR本体をばらします。
スピーカー基板にアクセスするには、うちのMRの場合、サイドウッドを外し、天板を外して、リアのネジを外します。


すると、こんな感じでスピーカーターミナル基板が分離(ターミナル基板からメインには繋がったまま)するので、ここまでくれば作業しやすくなります。

ここから中に見える黒いスピーカーリレーを2個摘出するわけですが、リレーを基板から外す作業は、はんだ吸い取り線で簡単に出来ますが、外れたリレーを摘出するのが大変(笑)

AU-α607MR修理で検索すると分かりますが、本当は、ターミナルから出ている8本の柱のように伸びている棒(笑)を基板から外して作業するのが正解ですが、今回もまた横着して、そのまま無理矢理摘出します(笑)


赤く囲った2つのコンデンサを両側に傾けます。
強く曲げたりするとコンデンサが取れてしまったり、はんだがクラックする可能性もあるので程ほどに傾けます。

すると、抜け道が出来るので、ゆっくり中のリレーを移動させて抜け道へ導き、コンデンサに注意しながら引き出せばリレーを摘出できます。
でも、こんな荒業真似しないでくださいね(笑)
2個のリレーが摘出出来たら、同じ要領で交換するリレーを中に収めます。

リレーの摘出よりも、リレーを中に入れてピンを基板に合わせて装着するほうが大変です。
出来なくはないですが、この方法オススメしません(笑)

リレーが装着出来たら、はんだを付けてリレー交換完了です。

次は、冒頭のフロントパネル側の修理です。
この607MR購入時に発覚したソースダイレクトスイッチの接触不良を治します。


まず、つまみ類を全て外します。
607MRのそれぞれのつまみですが、意外としっかりしています。
特にボリュームは、重量感ありますね。
KXやXRより高級感もあります。

さて、次に天板側のネジ3つと底面側のネジ3つを外します。
もし、これだけでフロントパネルが外れない場合は、外れない側のインシュレーターのネジを緩めるとフロントパネルが外れやすくなりす。


はずしたフロントパネル。


バラック(笑)
ソースダイレクトスイッチは、右から3番目のつまみなので、このつまみの奥にあるスイッチ回路に接点復活剤をひと吹きし、スイッチを何度も切り替えて馴染ませます。
大抵はこのクリーニングで復活するはずですが、だめな場合は、もう少し接点復活剤を散布して馴染ませてみましょう。
それでもだめなら、もっと深刻な故障が発生している可能性があります。

うちの607MRは、このクリーニングで接触不良は改善しました~


元に戻して試運転開始。
小音量時の片側音が出ない問題は解決したものの、音がイマイチ固くなってしまいました。。。
これは、リレーを交換したことによるものなので、しばらく音源を、鳴らしっぱなしにして、いわゆるエージングによって馴染ませないとだめですね。
でも、リレー交換による音の鮮度の違いははっきりわかります。
やっぱり、元のリレーのままかだとほんの少し抜けが悪いというか、わずかに籠った感じだったんだなぁと気付かされました。

にしても、607MRは、音の解像度にすばらしいものがありますね。
この子が来るまでメインだった607iには無いすっきり曇りの無い音です。
607iは力強い押し出しで厚みのある、これぞサンスイの音でしたが、607MRは、サンスイ伝統の厚みのある低音域を土台にスッキリ明快な中高音が乗っているので、バランスと解像感が両立された音ですので、今風の音楽でもいい感じに聴かせてくれます。
でも、やっぱりジャズやクラシックが合うんだろうなぁ。

リレーを交換したばかりのため、少々こじんまりした音が出てきてますが、しばらく鳴らしっぱなしにしておけば、広がりのある本来に近い音に戻ってくれるでしょうから、期待して待ちましょう~。

おしまい