「僕は教師じゃないの、学校で働いている人」 | 好文舎日乗

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本と学び、そして人をこよなく愛する好文舎主人が「心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつ」けた徒然日録。

昨夜は、前任校で同僚だったK先生が郷里から東京に戻る途中に立ち寄ってくれた。GWに東京で会って以来。進路指導主任と高3の担任で大変な上に、学園評議員を命ぜられ苦労が多いとか。ゴメンナサイ、評議員が回っていったのは、僕が辞めたからです。

 残してきた生徒たちの様子や、進路指導の取り組みなどを聞かせてもらい、嬉しいことも多かったのだが、やはり学校組織としては腐り切っているようだ。120年以上の女子教育の伝統を持ちながら、その上に胡坐をかいて、何の努力もしなかったために、経営の危機に瀕している。残された時間は少なく、改革しか途は残されていないはずなのに、愚昧な理事長(やっぱり坊主はダメです)とそれを取り巻くイエスマンばかりの理事たち、理事長の威を借り、気に入らない教職員を次々と解雇する女事務局長、理事長と事務局長を抱き込み、学園を私物化する体育科(特にバレーボール部と卓球部)。東京での3年間は思えば、体育科との戦いだったように思う。

 K先生によれば、国語科の非常勤、O先生が体育科のS野とS原、社会科で中等部主任のK平から目の敵にされ、苦労しているらしい。

理由を尋ねたら、S原が担任する中1に手を焼いていて、自分のいうことを聞かない生徒たちが、O先生のいうことだけは聞くので、嫉妬しているのだとか。そこへS野やK平も参戦し、O先生に辛く当たっているようだ。度し難き奴らである。O先生はまだ20代だが優秀な教員である。僕がいなくなって高3の小論文、志望理由書、自己推薦書の添削指導が、みんな彼女の所に行ってしまっているようだ。まあ専任の国語教員が3人いるけど、彼らには無理だからなあ。O先生に頼らざるを得ないのが現状なのだ。

 だとしたら、せめて体育科をなんとかしてやるべきなのだが、管理職がまるで当てにならない。校長は前出の理事長が兼務している。副校長はこれまた坊主で稀代の事勿れ主義。教頭は、3年前「リストラ教員リスト」の筆頭に名前があったのに、理事長や事務局長へのゴマすりだけで1年前に突然教頭に抜擢された男で、「僕は教師じゃないの、学校で働いている人。だから定時に帰るの!」が口癖の「教師の風下にさえ置きたくない」ような奴である。どうしたらよいか現在思案中である。