〝僕は幼稚ですか?〟 | 好文舎日乗

好文舎日乗

本と学び、そして人をこよなく愛する好文舎主人が「心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつ」けた徒然日録。

放課後、昨日約束した通り、B君がやって来た。いろいろ話した。

「C先生からどんな指導を受けていたの?」

(2枚のプリントを取り出して)「これを要約しろと渡されました」

「何これ?環境をテーマにしてるけど、高校生の作文だね。これを要約しろって?」

「はい。要約の仕方も教わってないんでわからないんです」

「高校生の作文を要約させてどうするんだろ?」

「とにかく月曜日までに要約しろと言われました」

「これはやってもあまり意味ないな。C先生自身があまりよくわかってない」

「どうしたらいいでしょうか?」

「過去問はある?」

「はい。1年分ですが持っています」

「じゃあ、それをやってみようか」

「はい!」

「ところで、志望理由書だけど、君が書いたヤツね、表現的にはまだまだだけど、C先生の改訂版よりずっといいよ」

「僕の文章は幼稚だと言われました」

「幼稚って、C先生のの文章は君の文章の順番を入れ替えて、字句を修正しただけじゃない」

「いえ、少し加えてある部分もありますが……」

「えっ、あ、あれね。あれは僕がこれまで指導した子たちのものを参考にと一昨年渡したのから切り貼りしたやつだから、その部分だけ、文章が浮いて不自然だろう?」

「はい。あれ、先生のパクリだったんですか?」

「C先生に何かを生み出したり、掬い上げたりする能力は無いよ」

「そうなんですか。ムカつくなあ……。あなたの頭は幼稚なのよって散々言われたんですから」

「〝空っぽ〟の次は〝幼稚〟か。困ったもんだね」

「先生、僕は幼稚ですか?」

「B君はマルコメ坊やみたいで可愛いけど、幼稚じゃないよ(笑)」

「何ですか、それ?」

「マルコメ坊やを知らないの?」

「はい」

「そうか……。まぁ、いいや。まず過去問を読んで、思い浮かぶことをメモしてごらん」

「はい!」

‐‐‐‐

午後10時半頃まで指導した

「今日はここまでだね」

「はい。先生、明日も来ていいですか?」

「いいですよ」

「明後日も来ていいですか?」

「うん、いいよ」

「明々後日も来ていいですか?」

「わかった、わかった(笑) 待ってるから」

「ありがとうございました!」

御礼を言って笑った時のB君の顔はまさに18歳のマルコメ坊やであった。

‐‐‐‐

というわけで、本日はペタが返せませんでした。ご訪問くださった皆様、申し訳ありません。

明日もよろしくお願い致します。