古沢さんインタビュー✧︎

やっぱり、瀬名と三河一向一揆・三方ヶ原の戦い…は家康にとって大きなものとなってるよね。

 ――瀬名にネガティブな印象をつくらなかったうえ、家康の人生に瀬名が大きな影響を与えた(第25回)という解釈をしたところが「どうする家康」の目新しさのひとつでした。


古沢「家康の成し遂げた、戦のない時代を作るという偉業は当時としては、相当、信じがたい出来事だったと思います。その夢や目標を誰が家康に強烈に託したかというと、家康にとって最愛の人物――瀬名でなければならないとぼくは思いました。影響という点でいえば、三河一向一揆(第8回)も大きいと考えました。岡崎がまだまだ弱小だった頃、家康、自ら戦場に出て、物理的に死にかける体験は、人生において絶対に大きな出来事でしょう。しかも、続々と家臣に裏切られて、殺されかけるのですから。さらに、三方ヶ原での大きな敗北(第17、18回)。家康の人生に大きな影響を与えた体験をその3つにしました」


――「どうする家康」はヒューマンなところを大事にしていることを感じます。


古沢「家康の成長物語と思われますが、ぼくはそうは思っていないんです。成長ではなく、心の変化の物語です。

…この物語の家康はそうではなくて、なにか大きな喪失や耐え難い挫折を経て変化している。それはぼくのなかでは、成長ではなく、心が壊れていっていることなんです。人間らしさや、彼本来の優しさや弱さ、そして幸せまで捨てて、その結果、みんなから、怪物のように怖れられ、あるいは、人を超えた神のように扱われる。でも、ほんとうの家康どういう人間だったのか、視聴者の皆さんは知っているよね、と。最後の撮影のとき、松本潤さんと話して、『家康ってかわいそうですね、自分で演じていてもかわいそうに思った』とおっしゃっていて。ここまでかわいそうな人になるとは、ぼくも思っていませんでした。天下をとってかわいそうと思われる家康は、たぶんいままでにないですよね。自分でも思っていた以上に、新しい家康像ができたと思います」


(前回のインタビュー)
――第46回(12月3日放送)からの大坂の陣はどんなところを見てほしいですか?

「大坂の陣は一番こだわりました。本当に家康の長い長い生涯、ずっと戦争し続けてきた人の最後の戦争で、これによって本当に彼の悲願であった戦なき世を成し遂げる戦いなんですね。それは、やっと彼が戦争に明け暮れた人生から解放されたんだけど、決して晴れやかなものではなくて、それと引き換えに彼にとって大事なものを捨てていった。苦い苦いものを飲み込んで成し遂げたっていう。いろんな恨みも買って、千姫(原菜乃華)からも憎まれるなど、平和を成す代わりに彼個人の幸せを捨てたという描き方がしたいと思っていました」

…家康にとって大事なものを捨てていった。
苦い苦いものを飲み込んで成し遂げた。
こんなに切なくて悲しい物語ある?!
心を揺さぶられるし、40歳の潤くんが演じてるとは思えない晩年の大御所っぷりが本当にお見事気づき

山田裕貴くんストーリー。

家臣団とわちゃわちゃしてた殿が懐かしいよ。

来週のラジオ、どんな話が聞けるか楽しみニコニコ
帰ったらまたNHKプラスで堪能します✧︎