古沢さんインタビュー✧︎
やっぱり、瀬名と三河一向一揆・三方ヶ原の戦い…は家康にとって大きなものとなってるよね。
家康はなぜ「南無阿弥陀仏」と日課念仏を行ったのか 「どうする家康」古沢良太に聞いた#Yahooニュースhttps://t.co/n55PdnvzgZ
— 木俣冬 (@kamitonami) 2023年12月3日
インタビュー後編です
――瀬名にネガティブな印象をつくらなかったうえ、家康の人生に瀬名が大きな影響を与えた(第25回)という解釈をしたところが「どうする家康」の目新しさのひとつでした。
古沢「家康の成し遂げた、戦のない時代を作るという偉業は当時としては、相当、信じがたい出来事だったと思います。その夢や目標を誰が家康に強烈に託したかというと、家康にとって最愛の人物――瀬名でなければならないとぼくは思いました。影響という点でいえば、三河一向一揆(第8回)も大きいと考えました。岡崎がまだまだ弱小だった頃、家康、自ら戦場に出て、物理的に死にかける体験は、人生において絶対に大きな出来事でしょう。しかも、続々と家臣に裏切られて、殺されかけるのですから。さらに、三方ヶ原での大きな敗北(第17、18回)。家康の人生に大きな影響を与えた体験をその3つにしました」
――「どうする家康」はヒューマンなところを大事にしていることを感じます。
古沢「家康の成長物語と思われますが、ぼくはそうは思っていないんです。成長ではなく、心の変化の物語です。
…この物語の家康はそうではなくて、なにか大きな喪失や耐え難い挫折を経て変化している。それはぼくのなかでは、成長ではなく、心が壊れていっていることなんです。人間らしさや、彼本来の優しさや弱さ、そして幸せまで捨てて、その結果、みんなから、怪物のように怖れられ、あるいは、人を超えた神のように扱われる。でも、ほんとうの家康どういう人間だったのか、視聴者の皆さんは知っているよね、と。最後の撮影のとき、松本潤さんと話して、『家康ってかわいそうですね、自分で演じていてもかわいそうに思った』とおっしゃっていて。ここまでかわいそうな人になるとは、ぼくも思っていませんでした。天下をとってかわいそうと思われる家康は、たぶんいままでにないですよね。自分でも思っていた以上に、新しい家康像ができたと思います」