Illustratorの3D効果でBB-8を描く | 3倍早くなるためのDTP講座

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DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。


はい、スターウォーズep7見てきましたよ。
うん、まあ、スターウォーズでした。内容はさておき公開されたことが嬉しくて、最初のタイトルで涙ぐんでしまった。帰りの駅では銀座線のマークがBB-8に見えるほどにどっぷりハマりました。

にしても、あらすじも言えないほどネタバレ要素が強いのはどうかと思うが…。
おかげで何も言えん^^

で、今回の主役で大人気のアイツをIllustratorで描いてみましょう。(ルーカスはファンアートには寛大だったけど、今の帝国体制だとどうなんだろ…、何だかイヤな予感がする^^)

ただ描くだけではつまらないので、3D効果とアピアランスをお勉強しながらのチュートリアルといきましょう。

さてBB-8ですが、すごーく単純な雪だるま型です。
3D効果なら回転体で簡単に作れますが、それだとアタマとカラダは固定なので魅力が半減です。




せっかくですから転がしたいですよね、コロコロと。
というわけでコロコロ転がせるBB-8をIllustratorで作ってみましょう。

1 アタマを作る

アタマの形状は1/4円にちょっと付け足して切り込みを入れたような形ですが、BB-8には2本のアンテナが立っています。

3Dの元となるオブジェクトは、アンテナの位置に細い線を描きグループ化します。グループにすることで複数のオブジェクトをまとめて回転体にすることができます。

↑頭部にパスを2本描いてグループ化


ちなみに私は公開されている動画や画像を参考にしてトレースしました。

アンテナ用のテクスチャはアタマのマッピングの位置と同位置に来るように調整して、位置を合わせのため頭部のテクスチャと同じ幅の不透明度0%のオブジェクトを置いて、アンテナを描きます。

↑マッピングデータのアンテナ位置は合わせておく

マッピング用のテクスチャは曲面の歪みを補正しつつトレースします。

マッピングはオブジェクトのサイズに合わせて配置されるので、テクスチャを等間隔にすると3Dの側面図では等間隔になりません。つまり図面をそのままトレースするのではなく、実際の長さを計算して作成する必要があります。



↑マッピングデータが等間隔だと3Dの側面図は等間隔にならない


↑逆に3Dの側面図を等間隔にしたければテクスチャをそれに合わせる必要があります。側面画像のトレースなどでは、見た目通りの比率では作成できません


そのへんをふまえてデータを作成し、シンボルに登録します。

マッピング用のデータができたらアタマ用のオブジェクトグループを、効果>3D効果>回転体で360°回転させます。


アンテナ以外の面は透明にしたいので、アートをマップの「構造体を表示しない」にチェックを入れます。


残りの面もマッピングしてアタマは完成です。


↑アタマできた




2 カラダを作る

カラダは正円なので形状はものすっごく単純ですが、マッピングを作るのがものすっごく大変!
マッピング用のテクスチャを起こすだけで記事1本書けてしまうほどなので、今回は端折ります。

幸い6面図はネットで拾えたのでトレース。しかし、極側のパターンは展開しなければならないので、Photoshopの極座標フィルタで変形してからトレースします。

↑ここだけPhotoshop使います

トレースが難しいなら画像を加工して貼ることも可能です。

↑こんな感じになります


次に半円のオブジェクトを作ります。線の塗りを入れるとマッピング面が増えてしまうので入れないように。



〈後述の理由から本体の3D化は一旦後回しにします〉


3 効果の統一

Illustratorでは複数の3Dオブジェクトは個別に詳細オプションの設定をしなければならず、アタマとカラダの設定が同じでないと艶や影などがちぐはぐになってしまいます。

↑オブジェクト毎に設定が違うので、気分でやるとちぐはぐになる



オブジェクトごとに詳細オプションを開いて同じ設定を繰り返すのは大変ですし、変更があると面倒なので、ここでちょっとしたテクニックを使います。

↑数値はまだしも、カラーや光源を同じにするのは至難の業



まずはアタマの設定後効果をグラフィックスタイルに登録します。


↑アタマのグループをグラフィックスタイルパネルにドラッグして登録



次にカラダのオブジェクトを選択し、登録したグラフィックスタイルをオプション+クリックします。
※オブジェクトの構造や設定によってはスポイト一発でOKなケースもあります。

↑オプション+クリックで効果を追加できます。ここでは塗りのあるパスに3D効果を追加します。


これで詳細が設定された回転体オブジェクトになるので、アピアランスパネルから3D回転体の設定を変更、カラダ用のマッピングを適用します。

↑3D化されアタマと同じ設定になりましたが、マッピングデータも同じなので見えなくなってしまいました。アピアランスパネルからマッピングを再設定します


最後にアタマとカラダをグループ化して完成です。




4 見た目の変更

カラダを回したいときはカラダのパスのみ選択して、アピアランスパネルから3D効果の値を変更してグリグリ。





頭を回したいときはアタマのグループのみ選択して、アピアランスパネルから3D効果のY軸をグリグリ。


ホントの3Dソフトに比べると大幅に制限はありますが、まあ、Illustratorでここまでできればいいんじゃないでしょうか。

さて、BB-8は直立しているよりもちょっと傾げているのがかわいいですよね。
というわけでちょっと回転してみると…、あ、3Dが崩壊した。なんてことになります。

↑あべしっ



そこでグループごとアピアランスをかけてしまいます。

グループを選択して、効果>変形で回転をかけてやるとちゃんと傾きます。




さらに効果の光彩(内側)なんてかけるとぐっとリアルになりますよ。


効果はオブジェクトとグループ(ここでは使いませんがレイヤーも)に対してかけられるので、階層を意識して使うことで複数の効果がかけられることを覚えておきましょう。




※Illustratorの3D効果はよく面が抜け落ちます。今回も終始アンテナが前面に出てきたり消えたりしています。くれぐれもお仕事で使うようなことは避けましょう。
あと、テクスチャの端の罫の処理していないので要らないところに線が出てしまっていますが、気にしない気にしない^^

つづく予定。