Illustrator使いのためのInDesign講座 9 | 3倍早くなるためのDTP講座

3倍早くなるためのDTP講座

DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

●画像やオブジェクトの回転、拡大

さて、何から何まで管理したがるInDesignは、オブジェクトの回転や画像の拡大率まで管理しています。

Illustratorではオブジェクトを回転させた場合、回転後の形が基準になります。

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↑多角形ツールで作成

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↑10°回転

更に回転をかけたりしても、元から何度回転しているのかはわかりません。

厳密にいえばバウンディングボックスは回転しているので、内部的には回転した情報は持っているようですが、通常は回転した数値はどこにも表示されません。バウンディングボックスをリセットしてしまえば恐らく元に戻すのは不可能になるかと思います。

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↑バウンディングボックスをリセット。手がかりは一切消えた…


たまーに、オブジェクトをいじっているうちにビミョーに曲がっていて、元に戻したくなることがあったりします(わたしだけ?)。また、複数のオブジェクトを同じ角度にふりたくなったりとかね。

InDesignはドキュメントにオブジェクトを置いたところを基準とし、回転したものは数値で管理しています。

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↑InDesignの場合

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↑回転情報がパネルに表示されます

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↑試しにIllustratorのパネルを見ても、回転した情報は消されてます


回転ツールでドラッグして変形しても、回転の数値が変更されますので、ドラッグで目見当で回転してから端数を整理するのも、基準に戻したり複数を統一することも容易です。

さらに画像に関しては配置したところを基準とし、拡大縮小の情報も管理しています。
原寸(100%)で取り込んでの拡大率なので、解像度が足りているかの目安にもなります。

例では350dpiの画像を30%縮小し、10°回転しています。

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↑これ、InDesignの方ね。ちゃんと縮小と回転情報が出ています

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↑んで、こっちがIllustrator。なんにもない、まったくなんにもない

Illustratorの場合、画像の情報はリンクパネルから確認はできますが、標準機能では直接変更する手だてはありません。回転や拡大するのは数値から逆算しての手動です(PICTRIXさんの画像の回転・拡大などを変更できるスクリプト「AI ReTrans3.js」を使うという手もあります)。

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↑さらに、同じ画像でも72dpi以外だと埋め込みとリンクで大きさが変わります。こっちはリンク

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↑こっちは埋め込み。元は同じファイルです。30%の縮小なのに、こうなってくると何%縮小したかわかりません


基準から変形しているという情報を持ち続けていて、直にアクセスできるのはけっこう便利なものです。

…まとまりませんが、InDesignとIllustratorのオブジェクト管理の違いをご紹介しました。