Illustratorでルビと聞いて逃げ出したくなる人もいることでしょう(経験すればするほどIllustratorのルビはやっかいだということがわかります)。
ご存じのとおり、Illustratorには「ルビ」の概念はありません。Illustratorでルビを振るには、ルビのためのテキストオブジェクトをつくり、文字入力をしなければなりません。
他にもTipsで割り注を応用する方法もありますが、どちらも正規のルビではないため作成も修正も困難です。さらに親文字との位置関係などもきっちり揃えるのは大変で、これがIllustratorでルビの不便さの要因のひとつとなっています。
QuarkXPressやInDesignなどは標準でルビ機能はありますが、それでもルビを振るのは大変です。
Illustratorではそれ以上にムダな労力を費やさなければならないのです。
しかもルビは大抵おまけ扱い。避けて通れるなら通りたいけど、そうもいかないのが「お仕事」です。
たとえば10ページくらいのマンガで、原稿をスキャンして、Photoshopで色塗って、セリフの文字を打つとします。最近ではIllustratorも合成フォントを使えるので手っ取り早くIllustratorで作ったとします。
文字を全部打ったあと、「これ、子どもも読む本だから、セリフ全部にルビ振って」なんて言われたらどうしますか?
セリフがページに10個あって10ページあったとしたら?
さて、みなさんの環境で上のような見本の3行6文字をきっちりきれいに(ルビ位置は親文字のセンター揃え、親文字との距離も一定)ルビを振るのにどれくらいかかりますか?
また以下の文字列(ウィキペディア引用http://ja.wikipedia.org/wiki/ルビ)に総ルビを振るとしたら?
ルビ(英: ruby)とは文章内の任意の文字に対しふりがな/説明/異なる読み方といった役割の文字をより小さな文字で、通常縦書きの際は文字の右側/横書きの際は文字の上側に記されるものである。
明治時代からの日本の活版印刷用語であり、「ルビ活字」を使用し振り仮名(日本語の場合)やピン音(中国語の場合)などを表示したもの。日本で通常使用された5号活字にルビを振る際7号活字(5.25ポイント相当)を用いたが、一方、イギリスから輸入された5.5ポイント活字の呼び名が英: ruby(ルビー)であったことから、この活字を「ルビ活字」とよび、それによってつけられた(振られた)文字を「ルビ」とよぶようになった。明治期つまり19世紀後半のイギリスでは活字の大きさを宝石の名前をつけてよんでいた。
こんな感じに。
ふだんIllustratorでルビを振らない方は、実際にやってみると作業の大変さがわかると思います。
このようにIllustratorでルビを振るときに、労力と時間を費やしているかたに朗報です。
先生、お願いします。
「ウム…」(つづく)