段落境界線を使った飾り3 | 3倍早くなるためのDTP講座

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DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

段落境界線のメリットから。

まず、手軽なこととテキストに影響を及ぼさないこと。

インライングラフィックやアンカーのように挿入するわけでなく、標準機能として付加されるものなので、テキスト上に余計なオブジェクトやキャラクタを含みません。

作成時に余計な作業をしなくてすみ、修正時も邪魔なオブジェクトなどを気にすることなく作業ができ、誤っての移動や削除、置き忘れなどは発生しません。

また、最初に書きましたが、段落境界線は段落の設定なので、段落スタイル化してしまえば複雑なデザインでも、1回の操作で瞬時に変更できます。ただし最初に設定を作るのは大変ですが…。

更に検索・置換で一括置換ができるので、正規表現と合わせれば見出しを一気に仕上げることが可能です。これは使いようによってはクリップボードを使ったアンカー類でも同じですが、ちょっとした違いもあります。それは後ほど。

ちょっと実例を。
1)、2)、……で始まる文字列を、検索置換で一括で飾り付きの見出しにし置換します。
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もとはこんな感じ。


一括置換なので、見出しが100あろうと1000あろうと1回の操作で見出し回りのあしらいまで変更できます。
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プレーン状態のテキストに数字の前後にタブを挿入し、パーレンを取ります。設定はこんな感じ。

スタイル側で先頭文字スタイルと段落罫線を設定しているので、検索置換の設定をクエリに登録すればこの作業は10秒とかかりません。
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先頭文字スタイルで数字は白抜きに設定済み。


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それで、一瞬でこうなります。いや、ほんとですよ。


さて、先ほどの「違い」ですが、複数の見出しスタイルがある場合、せうぞーさん作の連続置換スクリプト「regex_continuous_substitution.jsx」や「run_Queries」を使えば見出しが何種類あっても一括で置換できます。しかし、クリップボードを使ったアンカーでは事実上「複数」連続置換はできません。だって、クリップボードは1個しかストックできませんから。


スタイルでデザイン(設定の集合ですが)を管理すると言うことは、スタイルを上書きするだけでデザインを変更できるということです。

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スタイルを入れ替えるだけで、
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一瞬でこうなります。


アンカーなどを使うと、デザイン変更があった場合、こうはいきません。複数のデザイン案を作りたい場合けっこういいのでは?

見本はありませんが(デザイン苦手!)、見出しに限らず、ノンブル回りやハシラ、ツメなどに使えば、マスター上でオブジェクトを変更しなくても、スタイルの読み込みで該当スタイルを一括で上書きして、ガラッと違うデザインに変更することも可能です(意味わかります?)。

と、いいことばかりではありませんよ。素晴らしい機能のようですが、これは本来の使い方ではないので段落境界線は取り扱い注意です。もう少し続きますので最後までおつきあいください。