文字選択でとてもに便利なのが検索置換。CS3以降なら正規表現を使った検索置換ができるので、任意の文字列を選ぶのが大幅に楽になりました。
今回は「選択」についてなので、検索置換が選択か?と思うかも知れませんが、任意の文字列を素早く選択状態にしたり、Illustratorで共通オブジェクトを選択して一括編集するのに近いので、文字の選択方法のひとつとさせていただきます。
テキストでは連続しない複数の文字列を同時に選ぶことはできませんが、(擬似的に)複数を同時処理することはできます。文字列を選択するという事は、その文字列を何かしら編集する場合がほどんどだと思いますので、ここでは置換もセットで考えて問題ないでしょう。
特定の文字列を素早く「選択」するためには、範囲や条件を絞る方法を覚えておくとよいでしょう。
◎絞り込む
検索置換で文字列を選択する場合、ドキュメント上、選択範囲などの検索範囲などの条件、詳細設定でフォントやカラー、スタイルなどでも絞れます。必要な範囲を設定することで余計なものを除外することができ、狙った文字列を素早く正確に検索できます。
さらに、正規表現を使えばパターンや位置などの条件まで絞り込めるので、さらに正確な検索が可能になります。
たとえばこんな文字列があり、行頭の数字のみを変更するとします。
テキスト検索では数字を選ぶ場合、メタ文字「^9」を使えば数字1文字を検索できます。しかし、これは文中の数字があった場合、それにもマッチしてしまいます。せっかく検索しても必要のない文字列が多数マッチしてしまっては、検索する意味がありません。
内容によって結果が変化するものは信頼度が低く、場合によっては見落としなども起きるため、画面を見て選択した方がマシかもしれません。また、行頭の数字のみ色を変えたい場合など、2ケタになると単純に置換ができなくなります。
これが正規表現では、行頭の数字が連続する場合「^\d+」を指定できるので、2ケタになろうが100ケタになろうが、行頭から続く数字のみを確実に選べます。
こうすると、
こうなります。
ここで置換側にも触れておきましょう。正規表現では検索した文字列の順番を変えたりすることができます。行頭から続く数字の後ろにパーレンを入れたい場合、数が多いと手でやるのは大変です。
数字の後ろにスペースなどがあればテキスト検索でもパーレンへの置換はできますが、正規表現を使った検索置換では、「行頭から始まる一連の数字」という条件が設定できるので、スペースなどがなくても全て検索でき、確実に任意の場所へパーレンを挿入することができます。
詳細設定でスタイルやフォントなどを設定すれば、特定の種類(例えば本文や参考文献)だけを対象にすることができます。
数字と文字のあいだになにもなくても
パーレンとタブを挿入できます
(注)InDesignはテキストに属性があります。入れ替えや追加などは、長体やカラーなどの属性が入れ替わることもありますので注意しましょう。