㊺大雪(たいせつ)/【本】いかに弁証論治するか | 季節と本と漢方と

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漢方薬をきっかけに中医学の世界を知ることになった薬剤師です。二十四節気を目安に月に2回の頻度で本を中心に印象に残ったものの感想を記録しています。

大雪(2022.12.7~12.21)

師走という名前の通りあっという間に12月も半分過ぎて、年末を意識する季節になりました。

 

いかに弁証論治するか 「疾患別」漢方エキス製剤の運用

菅沼 伸(監修) 菅沼 栄(著)  東洋学術出版社

 

日本でおなじみの漢方エキス製剤を中医学の視点でどう運用するかを疾患別にまとめてある本です。

いかに弁証論治するかという名の通り、疾患別に「病因、病機」ではそれぞれのきっかけやどのような経緯で疾患に至ったかの分析、分類を行い、「弁証論治」ではそれぞれの特徴的な症状、また代表的なエキス製剤についてなぜ有効か方剤構成も簡潔に解説がついています。

 

また食事や運動、民間療法で使われている生薬など養生のヒントなることも書かれているのが特徴で、続編と共に実臨床での手助けに心強い味方となっています。

 

ちなみに著者の菅沼栄先生は㊹の高橋楊子先生と共に中医学はもちろん中国の文化を今まで以上に身近に教えてくれた私にとって大切な恩師です。このお二方をはじめ様々な方から中医学の講義や研修で沢山のことを学べたのは私にとってかけがえのない財産です。