聡ちゃんを

後ろから抱き込んだまま


横から顔を覗き見ると



あーー。

そりゃそうだわな?

そんな顔しちゃうよな?



顔いっぱい『?』ってなってる。




だけど

ちょっと俺・・・・・・。


中島の気持ちが分かる・・・かも。




「この人さ・・・Mr.Jealousy・・・・・・だから。」


「Mr.Jealousy?」



「なるべくなら

   見せたくないんでしょ?

   寝起きの佐藤勝利を

   自分以外の

   他の誰にも。


   ほれ、勝利の寝起きは

   甘えん坊しゃーりくんだし。


   でも

   俺たち5人旅の

   思い出の記録の1ページと

   なる訳だから

   形としては残しておきたい訳。

   

   だから

   目え閉じてれば

   勝利の表情もわかりにくいし

   アイツ的にはOK。

   

   ・・・って所ですかね?・・・・・・中島さん?」



そう言って


風磨くんは

ケンティーの方に顔を向けるから


つられて僕も

ケンティーの顔を

まじまじと見てしまった。



ケンティーは

『Yes』とも『No』とも

言わなかったけど


その顔を見れば

答えなんて一目瞭然だった。




「さて・・・と。

   マリウス起こすぞ?聡ちゃん?」


「へっ?」



「中島は勝利を起こせよ?」


「了解。」




気がつけば


勝利とマリウスは

布団の中に逆戻りしてた。