強く

抱きしめられた腕の中。




しばらくすると



『すぅぅ・・・。』と


静かな寝息が聞こえてきた。




ん?

眠ったのか?・・・勝利?



そっと

体を動かしてみる。


・・・動・・・いた。




勝利が

眠ったために


拘束していた力が緩んだんだろう。



そっと


ゆっくりと

勝利から体を離した。




俺の冷えた体を抱きこんだせいで


逆に

勝利の体が冷えてしまい


体調が

悪くなっても困るしね。



そんな風に

自然と思える俺の大事な存在。




体を少し上の方へと

移動させて


勝利の顔を

正面から見つめた。



かわいい。

本当にかわいいんだよ。


それでいて

強くて優しい。



俺のこと

俺よりも知ってるんじゃないかって

思うくらいの

俺の一番の理解者。





「ふふん・・・健気だねぇ〜〜。

   ・・・しょり子ちゃん。」


「ケンティーは幸せ者だね。」


「To be grateful for 勝利。」




「・・・そうだな・・・・・・ってさ・・・・・・。」



後ろから

聞こえてきた三者三様の声。




勝利を起こさないように

片方の肘をつき



そっと


上半身を持ち上げ

首をひねって後ろを振り返ると


トーテムポール状態の3人の姿。




「・・・そんな状態で・・・言われてもなぁ〜〜。」




優しくて

温かい空気感の中。


俺は声を出して笑った。