『どさっ。』





「・・・へっ?・・・えっ?・・・あっ?

   ちょ・・・っ・・・ちょっと・・・待っ・・・・・・。

   待って・・・風磨く・・・・・・んんんっっ!?」



僕の言葉は

風磨くんに飲み込まれる。




さすがに

それはまずいでしょ!!



だって


僕の頭のすぐ上には

勝利が・・・・・・。


勝利が寝てるんだって!!




僕の上に

覆いかぶさっている

風磨くんの背中に両腕を回し


手のひらをグーにして

ポカポカ叩くけど


風磨くんからのキスは止まらない。




そうこうしてるうちに


僕は

頭の中が

ぽわんとしてきてしまい


ポカポカ

叩いていたはずの腕の動きが


段々と

緩く鈍くなっていくのが

自分でも分かる。




風磨くんの柔らかい唇に

僕の意識が

全て持っていかれる。



気がつけば


僕の両手は

自然と

彼の背中にしがみついていた。






勝利の頭が

自分の視界に

チラホラ入ってくる。



さっき


メンバー同士の睦事は

見たくないって思ったよな?



「・・・・・・・・・。」


俺・・・。

こんな距離で

いったい何をしているんだ?



そう思い始めたら


急速に我に返り

やっちまった感が

半端なく押し寄せてきた。



そっと

ゆっくりと


聡ちゃんの唇から離れた。




「・・・聡ちゃ・・・・・・。」


『スパーーーーン!!』




「聡ちゃん」と

名前を呼んだのが先か


それとも


襖が開いたのが先か

という程な

見事なタイミング。




「・・・風磨くん?」

「・・・菊池?」



この

何も言い訳が

できないような状況下。



俺は

聡ちゃんの体に

再び覆い被さった。




「・・・ちょっ・・・/////・・・・・・風磨くんっっ!!

   何し・・・/////・・・えっ?!・・・あ゙っっ?!

   えぇぇぇ〜〜〜!!

   痛い痛い痛いぃぃ〰︎︎〰︎〰︎!!」




俺は

咄嗟に聡ちゃんに

プロレス技をかけた。