オレンジ色の常夜灯の下。



オレンジ色の淡い光りの中で


オレンジの彼とバッタリ出会う。





覇気のない俺のことを


そっと

さりげなく

柔らかく

心配してくれてる


オレンジの彼。




出会った頃は


まだ

子ども子どもしていたのに


10年という月日は


すっかり彼を

大人に成長させた。



変わった所。

変わっていない所。




全部ひっくるめて


俺の

『世界で一番かわいい弟くん。』






「・・・・・・マリウス?」


「えっ?・・・なに?・・・・・・ケンティー。」




「気分転換できた?」


「・・・う〜〜〜ん。

   まぁ・・・できた・・・・・・かな?

   ケンティーにも会えたし・・・・・・ね。」



そう言って


はにかみながら

口をハート形にして笑う。




「ね?

  おもろいね?

  最後まで

  ご縁のある人でしたね?」


「良かったです。」



「だから

  あの・・・・・・ゆっくり寝れる部屋を

  探しましょう。」


「そうですね。www」




「・・・・・・とは言っても

   これから部屋を探すのは

   宿の方にご迷惑を

   お掛けしてしまうだろうから・・・・・・。


   よしっっ!!

   とりあえず部屋に戻ろう!!

   ちょっと

   体も冷えてきたしな?


   これで風邪でも引いて

   明日の5人で過ごせる

   貴重ないちにちが

   台無しになったら

   元も子もないからね。」


そう言って

歩き出した俺の背中に

声がかかる。




「・・・ねぇ・・・ケンティー?」


「んんっ?

   あぁ・・・大丈夫だって。

   もしまたイビキかいてる奴がいたら

   俺が成敗してやるから。」



「そうじゃなくって・・・・・・。

   その・・・ケンティーは・・・さ?

   ・・・気分転換・・・できたの?」



足を止め

後ろを振り返ると


心配そうな顔をしたマリウス。





「できたよ。

   天使に癒してもらったから。」


「・・・天使?」



「うん。そう。」


「えっ?ちょっと待って?

   天使なんていた?」



心配顔が

驚き顔へと変わる。




「いたんだよ。

   あれ?

   マリウス会わなかった?」


「えぇ?!

   会わなかったよぉ〜〜〜。

   僕も会いたかったなぁ〜〜〜。

   ケンティーばっかりズルいよぉ〜〜〜。

   ねぇねぇどこに居たの?」


「ふふふ・・・・・・。」




俺は


今、持ち合わせている

ありったけの愛情を込めて


『とんっ。』って


世界で

1番可愛い弟くんの胸元を


緩く握ったこぶしで

優しく小突いた。




「ここにさ・・・・・・居たんだよ。」