「・・も・・かい・・・って・・・?」


「えっ?・・なに?」



「もーいっかい・・言って?」


「???・・ん?

  もーいっかい?・・ えーっと・・・。

  なにを?」




「だぁ・かぁ・らぁ・・・。

  勝利が

  今さっき・・俺に言ったことだよ。」


「・・『僕の話を聞いて。』・・・?」



「違う!!違う!!

  それじゃなくて!!  そのあと!!」


「そのあと? ・・えっ?

  ・・僕・・なにか言った・・っけ?



「言った言った!!

  めちゃくちゃ大事なこと言った。

  それ本当に

  大事なことだからっっ!!」




どうしちゃったのさ・・健人くん。


そんなに

騒いじゃうような事?




真剣な眼差しで

僕のことを見つめてくる彼。



この距離で

その眼力はダメだよ。


石になっちゃうよ・・僕・・・/////。





俺からの圧に

耐えられなくなってしまった為か


勝利は

俺から視線を外し


大きな

黒曜石のような瞳を

落ち着きなく

左右へとさまよわせる。



そんな仕草が

小動物感満載で


おもわず

『かわいい』と


声に出して

しまいそうになる。



けれど


懸命に

考えている勝利の気持ちを

大事にしてやりたくて


声にする事を

何とか堪えている俺。



その代わり


心の中では勝利への

『かわいい・かわいい』が


どうしたって

全く止まらない始末の俺。





僕・・なんて言った?


特に

これといって・・・う〜〜ん・・・。


しばし考えること数秒。




「・・あっ・・/////。」


あれ!!

あれの事?


そんな事だけで

そんなに騒いじゃう?!




彼の瞳に視線を戻す。


・・あっ・・石になりそう・・・。