「もぉ・・腕を振らない!!

  余計に絡んじゃうでしょ?


  それから

  言っとくけどね?


  僕が

  離さないんじゃなくて・・・。


  ・・ねえ?

  ちゃんと聞いてる?」



「・・聞いてるよ・・ふふ・・・。」



「もぉーーう!!

  ここ笑うところじゃないでしょ?

  大事なことだからね?

  

  健人くんの行動によっての

  結果論だからね。」




おおっ!!


さすがは勝利。

ちゃんと言いきったね。


ケンティーといえば・・・。




ひゃあああ〜〜〜/////!!


勝利はさ

ケンティーに

バックハグされてるから

彼の顔が見れてないけど


ケンティーの顔・・ひどいわ。



この世の優しさを

全部集めたような顔してる。




なんだろ?


これって

もしかして・・・。


ただの痴話喧嘩!?


僕は

一体何を見せられているんだよ。




もう風磨くん!!

これが分かってて

僕に頼んだでしょ!!


ご褒美高くつくからね!!




にしても


目の前のふたりは

僕の存在忘れてない?


って

思うほどのやり取りしてて。



まぁそれだけ

何でも言い合える関係になった

って事なんだよね。



付き合いも長いし

隠し事をお互いにしなくなって

何でも言い合える

対等な関係になって。


だから

喧嘩に些細なことでなるんだろうなぁ。



だけど

僕から見たら


こんなの全然喧嘩じゃなくて



ただただ

ふたりがじゃれついて

イチャイチャしてるだけにしか

見えないけどね?



あーーーー。


それを

痴話喧嘩っていうんだっけ?




末永くお幸せに

おふたりさん。





ぼーっと

ふたりを眺めてたら


いつの間にか


勝利が

僕のことを呼んでたみたいだ。



「・・くん。・・・お・・くん・・・。

  もぉ・・聡くん!!・・ってば!!」


「・・あ・・うん?・・ごめんごめん!!

  ちょっと・・・気が遠のいて・・・。」




ん?・・・ちょっと待って!!

ってかさ!!


勝利の声で我に返った僕。




そういえば・・・。


リハ開始するから

ふたりを

呼びに来たんだったよね・・僕。