「・・?!・・ふっ・・ふーまくん?

  ちょ・・ちょっとぉ・・・。

  もぉ!!

  急に・・大っきな声・・出さないでよぉ〜〜。

  あ〜〜もぉ〜〜びっくりするよ?」



「急に・・じゃねえし。

  何回も名前呼んでるし。」



「へっ?・・そうなの?

  ・・え〜〜っと・・あの・・・。

   ごめんなさい・・風磨くん。」



そんなに

あっさりと

素直に謝られっと・・・。


なぁ。




「聡ちゃん。」


「うん?」



「頼みがあんだけど。」


「えっ?!この本番前に?」



「本番前・・だからなんだけど?」




そう言って


風磨くんは

僕にウィンクして見せた。



と、


直ぐに

僕の肩を

ガシッと抱き寄せてくる。



あっ・・・。

ちょっと待ってよ風磨くん。


心の準備が・・・って

言おうとする前に


耳もとで囁いてきた。




「俺・・これからさ・・・。」


「ちょっと・・待って・・・。

  くすぐったい・・・www」



無意識なんだろうけど・・・。

俺の理性を

揺さぶるなよ・・聡ちゃん?




「・・そんなに可愛くしてると

  今ここで押し倒して

  公開濡れ場LIVEにするけど?」


「!?・・・もう・・何言ってんの?!

  僕・・別に可愛くは・・してな・・・。

  あ〜〜もうっっ!!

  どうしたらいいの?・・風磨くん?」



「よしよし。いい子だ。

  後で・・ご褒美やるわ。」


「ご褒美っっ!?

  美味しいものがいいなぁ〜〜〜。」



キラキラした目で俺を見てくる。


その純粋な瞳に

ちょっとした

後ろめたさを感じつつ



「美味しくなるかどうかは

  ・・・聡ちゃん次第だけどな・・・。


「えっ?・・なに?」




急に

風磨くんが小声になる。

聞き返すと



「まぁ・・いいわ・・・。

  よし!!本題だよ・・聡ちゃん?」

 


そう言って

『にやり』と目だけで笑って



僕の顔を覗き込んできた。




ご褒美って・・・なんだろ?



不思議に思いつつ

風磨くんの言葉に耳を傾けた。