撮影用のカメラが


あそこと

あそこにあるから・・・。


よし!!




「ねぇ・・風磨くん。

  目線は・・さぁ・・・ん?」



メイクさんに

襟元のシャツを直されながら


隣にいる

風磨くんに声をかけたけど

返事がない。




どうしたんだろうと



目線を

撮影カメラから

風磨くんへと移して


彼を見た。




すると


スタッフさんでもなく

撮影カメラでもなく

モニターでもない所を


真っ直ぐに見つめてて。



風磨くん・・

どこ見てんだろう・・って

思って


彼の

視線の先をたどってみれば



さっきまで

僕たちが控えていた場所。





暗い場所から

明るい場所って

結構よく見えるんだけど


明るい場所から

暗い場所ってなるとさ

案外見えないものなんだよね。



全体像は

何となく分かっても

細かい所まではさ


よく見えなくて。




だけど


さっきまで

僕たちが控えていた場所であって



しかも今ここに


僕と風磨くんしかいない

っていう事は・・・。



間違いなく

あそこにいるのは

ケンティーと勝利だ。


集合がかかったのに

何してるんだろ?




・・えっ?!


まさかっ!?


まだ

スーパーけんしょりタイム中!?



いやいやいやいや・・・/////。




いくらケンティーでも

LIVE本番前だし

それはないでしょ!!


勝利だって


公私混同は

絶対にしない人だし。



なんか

トラブルでも・・・あったのかな?





「・・ちゃん・・・聡ちゃ・・ん・・・。

  おいゴラァ!!   松島聡!!」



ぼーっと

暗闇の中のふたりを見つめてたら


急に

風磨くんから名前を呼ばれて




僕は

飛び上がるほどに驚いた。