「・・ねぇ・・・風磨くん?」


「・・あ--。・・・どうした松島。」




いつも

打ち合わせで使っている会議室が


今日は

使えない事になってたらしい。



そんなこと


知らない僕は

いつもの会議室へと足を運んでしまい


誰もいない空間を見て


みんなに

おいて行かれたんじゃないかって

ひとり焦っていた所に


風磨くんが現れた。



「やっぱ・・いたな・・・。

  俺は  そうじゃねぇかと思ってたよ・・。

【確保!!】

  ・・なぁ・・聡ちゃん?」



風磨くんは

手にしていたお茶のペットボトルを


「ほれっっ。」  


っと言って

1本僕の目の前に差し出してきた。



「・・あっ・・ありがとう・・・。」


訳が分からないまま

それを受け取る僕。



風磨くんは

会議室の椅子を引っ張り出して座り


僕に

この会議室に誰もいない理由を

教えてくれた。



立ち尽くしている僕を見て


「・・お前も・・座ったら?」


って言うから


風磨くんの隣りの椅子を

手で引いて慌てて座った。




「・・あぁ〜〜良かった。そうなんだぁ〜〜。」


「なに?」



お茶をひとくち飲んだ風磨くんが

僕に問いかけてくる。


「ここに来たらさ・・誰もいないからさ・・。」


「ふふっ・・置いてかれたと思った?」



「うん。めっちゃ焦った。」


「・・んなわけ・・ねえだろ。」




風磨くんがいるだけで

こんなにも

心強いし安心できる。


さっきまでの不安が

嘘みたいだ。




僕も

ペットボトルのキャップを

回してはずし


お茶をひとくち飲んだ。




しばらくの間

ふたりで

たわいのない話をしていたんだけど


ちょっと気になる事があって

風磨くんに話を切り出した。



「ねぇ・・・ここってさぁ・・・。

  これから誰かが使うんだよね?

  だから

  僕たちの打ち合わせで

  いつも通りに使えないんだよね?」


「・・あぁ・・だな。」



「早く行こうよ?

  今日の打ち合わせ場所に。」


「・・あぁ・・そぉ・・だな。」



なんだか歯切れの悪い風磨くん。



「・・アイツら・・終わったか?」


「えっ?・・なに?なに?」



「・・いや・・・別に・・なんでも・・・。」


「・・風磨くん?」

  


なんだか

時間を引き伸ばしてる感じがするのは

僕の気のせいかな。



「よしっっ!!行くぞ松島!!

  聡ちゃん!!」


「うっ・・う・・ん 。」



座っていた椅子を元に戻すと

本来の打ち合わせ場所へと

向かうべく


ふたりで

今いた会議室を後にした。



歩きながら風磨くんが

僕に話しかけてきた。




「あのさぁ・・お前がさぁ・・・。

  先に中に入れよ?」 








おしまい。







後で

あとがきあげますね。(*ᴗˬᴗ)


ミント🌱