今、勝利はなんて言った?



勝利の体が好きかって
聞いてこなかったか?

そう言ったよな?



ちょっと待て。

そんなの
好きにきまってる。

俺は勝利の体が大好きだ。



けれど
それをストレートに
伝えてもいいのか?

体が好きだなんて
そんなの・・
まるで・・
体が目的みたいじゃないか!!


勝利のことは
勿論、体も大好きだけど
それだけじゃない。

陳腐に
聞こえるかもしれないけど

勝利を構成しているもの
勝利から発せられるもの
勝利という人間
その存在自体を
俺は愛してるんだ。



そうだ・・・。

さっき俺は
勝利になんて言った?

『お前が知りたい事
    聞きたい事があれば
    なにひとつ隠さない。
    全て見せるから。』

って言ったよな。




よし。

見せてやるよ。
教えてやるよ。

俺が
どれだけお前のことを
好きかって
愛しているかって事を。



「勝利?」

声をかけた。
返事はない。


けれど
腕の中で
息を殺している感じがした。

抱きしめていた腕を
そっとゆるめて
顔を覗き込んだら

「しっ・・しょーりぃ・・?!」

ぽろぽろと泣いている
愛おしい人がいた。