勝利の事が
好き過ぎてどうしようもない。

中島健人
25才。

世間では
恋愛中毒【ラブホリ】といわれているが

実際の俺は
勝利中毒・・【ショリホリ】だ。


勝利を守りたい。
守ってやりたい。
望みは全て叶えてやりたい。
俺を頼れ。
俺が支える。
いつだって
いちばん近くにいて
抱きしめてやるから。



真っ当な事を思っていたって
裏を返せばこうだ。

勝利を独りじめにしたい。
誰にも見せたくない。
俺だけの世界で
俺だけを見ていて欲しい。


俺の知らない所で
誰かに笑いかけているなんて
想像しただけで
嫉妬で死にそうになる。


もし俺が
カゴの扉を開けたとして
きっと勝利は
何も言わずに中に入り
自ら鍵を閉めるだろう。

だけど
勝利を鳥かごの中の鳥にしてしまえば
輝きを失い
歌を歌わなくなることは明白だ。

そんな事は望んではいない。




いっその事
勝利から逃げ出してしまえば
楽になれるのだろうか。

いや、無理だな。
そんな事したら俺が俺でいられない。

勝利がいない世界なんて
月の海にいるようなもんだ。
息さえできない。




ちょっと
長く入りすぎたか?

頭の中
負の連鎖だ。

湯船から出て
頭からぬるめのシャワーをかけ
浴室を出た。