『ちゃぽんッッ』




「はぁぁ~。」
熱めのお湯が気持ちいい。
体が意識がふわふわする。




健人くんと体をつなげる行為は
初めてじゃない。

だけど・・。
あの体勢でするのは初めてだった。

健人くんの胡座をかいた上に
跨る状態になるから
ちょうど僕の胸が
健人くんの顔の前にきちゃって・・さ・。

下からの
健人くんの突き上げもあったけど

僕・・男なのに・・・。
胸・・で・・・感じちゃって・・。
イッてしまった。

こんな僕を
健人くんはおかしいって
思わないのかな?

ぼんやり考えていたら
「しょーり?」
って優しく呼ばれた。

「のぼせた?  体大丈夫?」
って耳元に甘くて低い声がする。
僕の大好きな声だ。


えーっと
今の僕の体勢ってどうなってるんだっけ?
健人くんに抱き上げられて
そのまま湯船に入ったんだよね。

ゆっくりと目を開ける。
「う"っっ・・・?!」
僕を覗き込んでいる端正な顔が
すぐ様、視界に入ってきた。

・・・カッコイイ。
カッコよすぎるんだよ。
お願いだから
そんなに見つめないでよ。
恥ずかしいじゃん。

慌てて下を向いた。
その時に気付いた。
僕の体は健人くんに横抱きにされてた。

「しょーり・・・顔上げて・・・。」
僕はまるで魔法にでもかかったかの様に
ゆっくりと顔を上げて
健人くんを見た。




ふふふふ・・。もしかして照れてる?
意識がしっかりとしたら
初めての体位で乱れちゃったの
思い出して
急に恥ずかしくなっちゃった?

「ふふふふ・・。
 勝利は本当に可愛いのな。
 気に入っちゃった?きじょう・・・。」

「もおぉ~!うるさいよっっ!!」
  恥ずかしくて仕方ない。
  だけどこれだけは確かめたい。

「・・・・健人くん・・?
  あのさ?僕、男なのに・・あの・・
  えっと・・ 
  その・・・胸いじられてイッちゃった・・・。
  おかしいよね?変だよね?」

全くもって
なんでまたこんなに可愛すぎる事を
聞いてくるかな。
オレをどうしたいんだい?

勝利のおでこに『チュッ』てキスを落とす。
「俺の事・・好きか?」
単刀直入に聞く。







細い腕が伸びてきて俺の首に巻き付く。


「好きだよ。好きだよ。大好きだよ。」

小さな小さな声だった。
けれども
俺の心には十分すぎる程に響いた。