平成26年度文化庁芸術祭参加公演
   十一月新派特別公演 
      十七世 中村勘三郎 二十七回忌
      十八世 中村勘三郎 三  回  忌  追善

新橋演舞場に行って参りました~ビックリマーク


秋が深まりもみじ風も冷たくなりましたが
開場を待って並ぶ人々の顔は
とても楽しげです

私の母と同じ位の世代の方々が
ウキウキと音譜
女学生のようにラブラブ
顔を寄せ合って

これから始まるお芝居のことを
お喋りしてらっしゃいますニコニコ音譜
皆さん笑顔が素敵ですラブラブ

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一、鶴八鶴次郎
                       つるはちつるじろう

新派初参加の中村勘九郎・七之助兄弟が新内語りの 男の太夫鶴次郎と 女の三味線弾き鶴八のコンビを演じます

若い二人は お互い尊敬し 憎からず思いあっているのに、喧嘩ばかり爆弾むかっ

些細な事からカッメラメラとなって、誰にも止められない喧嘩に発展していく様子は、

十八世 中村勘三郎さんの奥様 好江さんの著書に描かれていた (お互いを深く愛するあまりの)リアル激しい夫婦喧嘩を思い出させて、鶴八を演じる七之助さんと お母様の好江さんが重なってしまいましたにひひ

七之助さん、怒っても とっても美しくて艶っぽい…
怒りの頂点に達してしまう瞬間の
女性としての表情の変化が見事ひらめき電球

そして、仲直りして反省した時の しおらしさ…可愛い


鶴八の亡き母の遺骨をおさめた帰り道、二人は高野山の山内を歩いています

ご贔屓さんの所へ 嫁にいこうかと思っていると告げた鶴八の言葉に動揺する鶴次郎あせる
ここでは素直に、嫁になんか行くなビックリマーク行くなら自分の所へ来ておくれよビックリマークと懇願し、鶴八も喜んでその思いを受取りますラブラブラブラブ

こうして将来を誓い合う高野山のシーンは穏やかで美しい場面でした

そして一ヶ月後、
鶴八念願の寄席開業のおめでたい日クラッカー

鶴八と ご贔屓さんとの仲を疑って
嫉妬に髪を逆立てんばかりの形相で メラメラなだれ込んでくる鶴次郎

戸をバーーンDASH!バーーンDASH!DASH!と開けて
大股でドシドシ歩いて 怪しい(と勝手に思い込んでる)二人を探す鶴次郎目

私はこの場面ツボでしたにひひ
現実にいたら ちょっと困りますが、こんな真っ直ぐな鶴次郎が愛おしい…

鶴八への愛ゆえの、そして若さゆえの鶴次郎の激怒!! 
あまりにもわかりやすい嫉妬心!!
そのあとの大人げない ふてくされた態度も含めて心に残りました

誤解だといくら言っても最早 聞く耳耳持たず、鶴次郎の致命的な一言で 鶴八の表情が変わりますむかっ

またもや大喧嘩に発展、そして破局叫び
鶴八は ご贔屓さんと結婚してしまいます


そんな二人を いつも一番近くで見守っている番頭 佐平を演じる柄本明さん

よい意味で力の抜けた雰囲気をお持ちなのですが、お声がよく通り 情感がヒシヒシと伝わってきました

裏ぶれた寄席に鶴次郎を訪ねてきた佐平は晴れの舞台に復活する事を勧めます
もちろん鶴八と共に…

鶴八の夫の許しも得られて(←寛大ですね)
再び舞台に立った鶴八鶴次郎は昔以上の絶賛を博しましたクラッカークラッカー

しかし何故か楽屋に引き揚げてきた鶴次郎鶴八の三味線に難癖をつけ始めます

え?何処が?といぶかる鶴八
あ、あぁ、えーとあせるここ、ここだよビックリマーク
と何だか様子が変です

鶴八の本当の幸せを願っての訳ありの行動なのですが、文句のつけようがないのに、文句をつける所を必死に探すあせる鶴次郎
…グッときました

鶴八は傷ついて怒って、又しても もの別れ汗

その夜、酔いつぶれた鶴次郎を探しあてた佐平は彼の本心を聞くのでした…


これでよかったの?まだ間に合うわよ?と鶴次郎に耳打ちしたいような ちょっぴり悲しい最後ですが、佐平は何も言わずに盃をさしました
これでよかったのでしょう



いくら根底に愛があるとはいえ、二人の喧嘩の場面は勢いがありアップ本当に激しいのですが、観終わってみると まったく嫌味がなく、こちらの心は爽やかなままだったことに気づきました

うーん、さすがです
素晴らしい追善公演でした

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