最近、お笑いコンビ「サンドウィッチマン」率いるお笑い事務所「グレープカンパニー」の勢いがすごい。
2010年設立ながら、お笑いコンビ「カミナリ」「東京ホテイソン」「ランジャタイ」をはじめ、ピン芸人「永野」「お見送り芸人しんいち」などの人気芸人が所属。
2019年には、大御所俳優・高橋英樹と娘の高橋真麻親子が同事務所に移籍したことも話題となった。
ひと昔前のお笑い事務所と言えば、吉本・松竹・太田・ナベプロ・マセキといったところが主だっていたが、いつのまにか人力舎・ソニーミュージックアーティスツやケイダッシュステージなんかも勢力を増しているように感じる。
そんななか、最近よく耳にするのがお笑い事務所「K-PRO」だ。
バラエティ番組「ゴッドタン」ではおなじみのK-PROだが、2018年よりマネジメント業にものりだしているという。
今回は、そんな同事務所について掘り下げていこうと思う。
K-PROとは?
同事務所代表の児島気奈が、2004年に旗揚げ。
「理想のお笑いライブ」を目指し、同年にK-PROとしての初ライブ「行列の先頭」を開催した。
当時はお笑いライブが限られており、"それらに出場するために腕を磨く場所"という位置づけだったという。
また、お笑いライブに携わるきっかけは、高校生の頃にさかのぼる。
当時からお笑い好きだった児島気奈は、小劇場で行われた寄席にスタッフで参加。
ボキャブラ天国ブームだったこともあり、「誰か有名な人に会えるかも」と期待していたが思うような出演者はいなかった。
そのため、やる気をなくしサボっていたところを出演者に叱責されたという。
出演者の落語家さんが来て、「お前、何やってんだ!」って怒られたんです。そこで、自分の全然知らない芸人さんがライブに出ていて、その人たちに怒られるのは納得いかないなあ、と思って(笑)。それがすごく悔しくて、いつかこの人たちを使う側になってやろうと。
引用:
もちろん、さぼっていた児島気奈が悪いのだが、まだ高校生だしムッとする気持ちもわからないでもない。
そして、この「ムッ」ときた感情が、彼女をライブシーンの運営側へとひっぱりだしたのである。
児島気奈はその後、様々なお笑いライブにボランティアスタッフとして参加。
また、一時は「舞台を経験して芸人の気持ちを知っていたほうがよいのでは」と舞台に立っていたという。
最初は自分を誘ってくれた女の子とコンビを組んだり、別の男の子とトリオを組んだりしながら。その後、急に2人がいなくなってピンでやったりもしていました。あと、MCのアシスタントをやったり、アルバイトついでに、ちょっとしたキャラクターのイベントショーで司会進行をやったり。そうやって3~4年ぐらいは自分でも舞台に立つ機会がありました。
引用:
K-PROの初舞台については、100名ほどのキャパの劇場「新宿Fu-」が満席になる盛況ぶりだった。
しかし、その盛況ぶりに告知などを怠るようになると徐々に客足が遠のきはじめる。
その際は30名ほどの客入りだったというが、「こんな舞台に芸人を立たせるわけにはいかない」と告知に力を入れるようになったという。
告知に力を入れたことや、出演した芸人からお客さんへの口コミから徐々に客足は回復。
K-PROの舞台は今や、ライブシーンになくてはならない場所となっている。
さらに"K-PROには東京の芸人のほとんどが出演している"と評されており、児島気奈自身がバラエティ番組「ゴッドタン」などをはじめとするテレビ番組に出演し、ライブシーンで活躍する芸人について語ることも多い。
K-PRO所属芸人
そんなライブシーンを引っ張ってきたK-PROが抱える芸人たち。
もちろん興味はあるが、正直なところまだ誰もパッとしていないのが現状だ。
ライブシーンでの活躍は分からないが、テレビで見るようなわかりやすい活躍をしている芸人はまだいない。
見た感じ、コンビの「おせつときょうた」、ピン芸人の「ハラコ」「サノライブ」が活躍しているのかな?という印象。
あとは、コンビ「フライドポテト」が学生お笑い出身で、学生コンテストで優勝もしている。
引用:
K-PRO代表・児島気奈が抱える悩み
K-PROについて調べていて、「あぁ~…」と共感したのが女性だからこそ気を付けているという点だ。
やっぱり私自身も女が1人でお笑いライブやるって“何が目的なんだ”っていう不信感が、周りからの目ですごくあって、お笑いライブでこういうことをしていきたいというのをちゃんと伝えられるようになって理解されるまでに相当時間が掛かったので、しっかりした部分を見せるために茶髪はダメとか、芸人さんとの親しい関わり合いはダメとか、ちゃんと一線を置くように、ということは指導はしているんですけど。
引用:
今は分からないが、ひと昔前までお笑いファンは若い女性が多かった。その中には"ガチ恋勢"もいたし、女性の出入りには敏感だったのではないだろうか。
また、社会においても今ほどベンチャーや10代20代の起業やイベントの主宰というのも活発ではなく、心無い言葉や排他的な行為も受けてきたのではないかと推測してしまう。
さらに、ライブシーンで存在感を得た今だからこその悩みもあるという。
最近の若手芸人さんは、“K-PROが言ったことは何でもしますよ”が先になってしまっていて、K-PROが言っていることは正しい、それに従わないと今後ライブに出れないんじゃないかと思われているみたいで、それが今、悩み所ですね……。なので、若手芸人さんの心をほどく作業みたいなものが、わりと大きくなっています。
引用:
あとがき
東京のお笑いライブや芸人の新しい受け皿となったK-PRO。
そんなK-PROに所属する芸人たちは、事務所と同じくお笑い界のニュータイプとなりえるのだろうか。
年間で何百本ものライブを主催するK-PROが見込んだひとたちなので、否が応でも期待してしまう。
また、4月20日にはトーク番組「アメトーーク」でK-PRO芸人が放送予定だ。
その内容にも期待したい。
ちなみに、検索した際に「スリッカー」という言葉が出てきたので、てっきりコンビ名かと思ったが工具の名前だった。
同名の工具メーカーがあるらしい。