「翔ちゃーん、おはようございまーす!もう10時でーす!おそようございまーす!」
 布団をひっぺがされる。



 「おはよう、翔ちゃん」
 「ん…」
 「お誕生日おめでとうございまーす!」
 「おぁ…ありがと…おやすみ」
 「はい!起きて起きて!」
 「寝る…」
 「起きてー!」
 "寝る"と"起きて"の攻防の末、負けた。



 「はい、おはようございます」
 「おぁようござぃます」
 布団を捲ったと思えば、今度は俺の服を持って来た。



 「雅にぃ」
 「着替えて。ご飯食べに行こ」
 「んぁ…?」
 「もう。今日誕生日でしょ?兄ちゃんが美味しいとこに連れてくから」
 「おぉ…あれ、今日25日?」
 「うん」
 「……やっべぇ!」
 約束があったの忘れてた!



 「何?」
 「ゴメン!潤とご飯……あぅ…断るから」
 「一緒に行こうよ、それなら!」
 「え?あ、うん、いいけど」
 「どうせ俺は潤くんが帰っても独り占め出来るし」
 それかよっ!



 「ふふ。行こ行こ!」































 「誕生日おめでとう………あれ」
 「付属品がついてきた」
 「まぁ……いいか。ご飯食べるだけだし」
 ニコニコと笑う相葉さん。



 「ご飯、何食べるの?」
 「え?えっと…」
 「……ゴメン、雅にぃ。やっぱりどこかで時間潰してて?ね?潤が圧に負けそうだから」
 「……翔ちゃんが言うなら」
 しょげて席を離れる。のに、少し離れたところに座った。



 「……あれ、早く自分に渡せって圧力かけられてる?」
 「ゴメン…セコム並だね、あれ」
 さっさと食べようか、と潤が気を利かせてくれた。
Fin