「けほっ…けほ」
子供を抱っこしてタクシーに乗り込む。話は数分前。
「ふはぁ…」
やっと寝かしつけて自分も寝ようとスウェットに着替えた。
「んん〜!」
雅紀がいないから何となく静かだ。仕事だから仕方ないかと割り切る…けど寂しいから雅紀のブランケットを持ち出してくる。
「ん〜…」
身体がポカポカするなぁ、熱かなぁ、誰から伝染したんだよ!なんて何となぁく考えながらふと隣を見た。
「………ん?」
いつもと様子が違うって結論に至ったのは数秒後。
「え?え!?」
ほっぺたや額を触るとかなり熱くてビックリ。体温計で測ってみてさらにビックリ。40度!? 思考停止…からの行動は自分でも早かったと思う。すぐにタクシーを呼んで飛び乗った。予防に、と自分がつけたマスク。そしてオソロのように貼った冷えピタ。のはずが…。
「へっくしょい!」
え?俺……え?俺風邪引いてんの?え?感染源身近にいた!
「うぎゃぁぁあ!!」
「あっ、え、ご、ゴメンね!」
くしゃみで起きてしまいギャン泣き。あやしながら出来るだけ急いでくれと運転手に伝えた。