とあるアパートの一室
男は悩んでいた
毎日のようにおこる凶悪な事件の数々、国同士での戦争
小さな犯罪から大きな犯罪までその全てが男を悩ませていた

男は正義感の強い人間であった
「平和」を心から願うことの出来る人間だった
「悪」というものの存在が許せない人間だった

しかしそれと同時に男は気づいていた
自分にはどうすることも出来ないと、自分は世界平和にすることなんて出来っこないちっぽけな1人の人間なのだと
男はそう気づいていた。

男には毎日欠かさずに行っていることがあった
部屋の隅っこにある神棚に平和を願うことだ
何も出来ない自分だが
せめて祈りだけはと毎日欠かさずに行っていた

そしてこの日も祈っていると
神棚からシューっと白い煙りの様なものが飛び出してきた
男は不思議と慌てることもなく、ただただ煙が出るのを眺めていた

そのうち煙が人の形を成してこう言った
私は神である。毎日お前が祈っているのを見ていた
お前の願いを叶えてやろう

男は夢でも見ているのではないかと思い自分の頭を叩いてみたが痛みを感じた
そしてこれは紛れもない現実なのだと気付き
男はこう願った

神よ私は世界が平和になることを望んでいます
なので全ての悪の根源をこの世から消して下さい

神様は言った
本当にその願いで良いのか?

男は言った
はい。平和こそが私の願いです。

わかった。
神様がこう呟いたあと
世界から男を含めた全ての人間が姿を消した。


そして世界には平和が訪れた