車を必死で押してるおばちゃんに遭遇
知らん顔する事も出来ず、声を掛けた。
おばちゃんは、車の持ち主とは赤の他人で、ヨボヨボの爺ちゃんの車のバッテリーが上がって、困っていたから助けてるらしい
おばちゃんに誰か男の人を呼んできて欲しいと頼まれたのでショッピングセンターの総合案内へ行き
『ヨボヨボの爺ちゃんのクルマのバッテリーが上がって、立ち往生しているのでどなたか男性の方を呼んでもらえませんか?』とお願いすると
受付嬢が事務局らしき所へ電話をして
『ヨボヨボのお爺さんが立ち往生してる様なので来て下さい』
えーーー!大事なバッテリーが上がってる!が抜けてるやん
で、ヨボヨボの爺さんは、要らんやろ
まぁ、とにかく男手は確保できそうだから良しとして、
残して来た爺ちゃんとおばちゃんが気になったので駐車場へ戻ると
爺さんがひとり、車の後方で、バッテリーの上がった車を抱える様に支え、ふんばっていた
おいおい
『爺ちゃん、何やってるん?』
って聞いたら、
『車が動いて行かない様に支えておかないと』
何でや爺ちゃん
Pに入れておけば、車は動かないから大丈夫だよと諭す私の話も聞かず
いつも車を停める時はNニュートラルにしてサイドブレーキを引くの一点張り。
爺ちゃんの車、オートマやろ
P=パーキング=停まるなんだよなぁ。
私はその時…
初めて爺ちゃんの顔を見た。
そして、この爺ちゃんの車絡みの手助けをするのは2度目だと気づいた。
前回は、
そう…去年。
暑い夏の日だった。
車が縁石に乗り上げて、後輪が虚しくクルクル回っていた。
その時は、車屋さんに電話をして来てもらったんだよね。
爺ちゃん、覚えてるかぃ?
覚えている筈も無く
周りを見ると、爺ちゃんの車が通行の邪魔をして、駐車場は大混乱になっていた。
続く。