お盆前になると、不思議なことに昆虫がやたらと姿を現します。

特に蜘蛛。

小さいながら、虫が苦手な私は、一瞬、凍ります。この時期は、亡くなった人が、彼らに乗ってやってくると、グーグルからのウケウリ。

こういう話を、疑わしく感じる方も多いですし、内心どこかでほんまかなと思っている自分。

でも、天井から糸垂らし、眼前に降りてきた時は「龍之介やん。蜘蛛の糸ですやん」と笑みこぼれ。

あの日、病室でかぶらせた、サンタ帽とトナカイ角を、出し付け見ては、誰もが可愛くなるミラクル。

何やってんのやろと虚しくなりますが、それが慰めにもなり、蜘蛛の出現も、見守ってくれているのかなと思うのです。というより、思いたいのかもしれません。

残された人が心穏やかになれるなら、非科学的ストーリーは、何でもありかなと。

それにしても「ほんまに、昆虫だけは、やめて〜やぁ〜」と遺影のその人に話しかけ、また今年もお盆がやってきます。