CDの売上げが減っている。原因は音楽著作物の違法ダウンロードだとか。
本当にせやろか。
なら未だにBeatlesのCDが爆発的に売れる説明がつかない。
一つは、残念ながら音楽そのものの魅力が減ったんだろう。
けど一番の原因は.....
確認するでもなくパソコンというものは最凶のコピーマシン。
0と1の信号に置き換わったとたん、終わりのない全く同一のものが繁殖し、これを退治することは不可能に近い。違法ダウンロードが原因と言うわけじゃない。
アナログの時代、つまりレコードがあり、そのコピーは主にカセットテープだった。そのコピーはレコードより間違いなく音質は劣化する。FM放送でも同じ。そして手続き的にレコードをテープに録音するためには、これも間違いなくレコードのA面からB面という順番に、また時間も同じ以上かけなくてはならなかった。
今はどう?パソコンのDVD、まぁもうBLU-RAYか。そのドライブのCDの倍速は48倍以上。
つまり通常の音楽CDであれば、わずか1分足らずで全てコピーされ、タイトルも歌詞も瞬時に記録されてしまう。
そうアナログ時代は、例えば1枚のLPの曲順を替えてテープに取る人間はまず皆無だったと思う。曲順はそのLPを製作したアーティストの意思が反映されているものだと尊重していたから(まぁ、後日談で全然考えんと出来た順でしたと実もふたもないことをバラすアーティストもいたが)。バカらしいと思われるだけだろうが、レコードをジャケットから取り出し、ターンテーブルに乗せ、回し針をかける。A面が終わればB面にひっくり返してやらなければならない。曲を聴きながらジャケットの全てをそれこそ舐めるように凝視する。テープにダビングするにしても音量を調整し、またテープの残量を気にし、タイトルも当然、手書きで写し取っていかなければならなかった。
音楽を貴重で得がたいものと信じていたからこそ、やれたこと。
現在の、そう30歳以下の年代にとって、音楽は完全な消耗品。曲順も関係なし(ランダム再生がむしろ一般的?)。録音という概念自体が死語。全て保存。おまけに、何年かけて聴くつもりやねんというほどの量が100gに満たないプレーヤーに収まっている。つまり世の中の情報データの一つとしての認識に過ぎないんだろう。消耗品としてのポジションに貶められた音楽作品であるCDが売れなくなったのは、これが最大の原因だろうと思う。
そうアナログ世代は、いわゆる記号消費の呪縛から中々抜け出せないんだろう。今更CDの大人買いをしてしまうし。
しかし音楽が、記号消費とはえらく逆説的な皮肉では。