"そこら中で爆発音、悲鳴、怒号が響く。
恐らく戦争なのであろう。
いきなり戦争と言われても分からないって?
仕方ないね、案内人を一人付けてあげるよ。
なんでも教えてくれると思うよ。僕が誰かって?

…強いて言うなら、無限を持つ者。かな?
       ふふっ…"

「相変わらず争いが絶えませんねぇ…おや?
やっと僕にも仕事が回って来ましたか。
お元気ですか?画面の前の…そこの貴方。」
一人の男が話しかけてくる。

白いシャツに黒いスーツ。紳士的な服装に
色白の肌でキリッとした顔が良く似合う。
おそらくさっき言っていた案内人だろう。

「おや、もしや貴方…地球の人類ですか?
それは偶然。実は私も地球出身なんですよ。
良い星ですよね。人間を除けば。」

男はそう言う。しかし自分の目がおかしくなければどこからどう見てもその紳士は人間である。
何故人間が案内人など務めているのだろうか

「何か考え事でも?あぁ、自己紹介がまだでしたね。私、クレアから貴方の案内を命じられました。クルルと申します。以後、お見知り置きを。」

クルルと名乗るその男は見た目通りの綺麗な挨拶を終えた。しかしそこで確信した。この男は人間ではない、と。

「ん?ああ、私ですか?私は人神のクルルです。
貴方がこれからご覧になる世界の人間を創りました。貴方達…地球の人間を創ったのも私です。」

…この男とんでもないことを口にした。バカにしているのか?人類進化論を知らないのか?首を傾げ眉間にシワを寄せていると先にクルルの雰囲気がガラリと変わり口を開いた。

「貴様ら人間は創った神の名すら忘れ、自分たちが己の力で進化できたと傲慢に考え、挙句の果てには我々神の存在を否定した。だから貴様らの世界、ユークリスは破壊神ゼオンによって破壊された。貴様も、その家族も。」

クルルが物凄いオーラを放ち、言い放った。
どうやら世界は破壊さてしまったみたいだ。
…そう言えば何故ここにいるのだろう。

「何か言ったらどうです。私からすれば貴方達は
子供です。他の神に比べれば少しは優しくして差し上げられますが…ああ、なるほど。喋れないのですね。仕方ありません。少し変な感じがするかも知れませんが我慢してください。
《我が名はクルル。人神にして無限の神クレアの加護を持ちし者。今ここに神の権威を顕さん。》」

謎の光がほんの数秒、自分の周りを包み込んだ。
それは先程感じたクルルの気配と同じだった。しかし先程とは違う。殺意や敵意を込めたオーラではなく優しく包み込むような。まるで母親の抱擁のように柔らかく、暖かかった。

「これで会話とまではいきませんが多少のコミュニケーションは取れるようになったはずです。では参りましょう。ミルコシティへ!」

クルルがそう言った瞬間、視界はまっ白い光に包まれ、自分の意識が遠のいていくのを感じた。