初めてふたりで会う約束をし
初めて立ち話をしたとき
誰もそんなところ見ないだろうが
私は彼の立ち姿にさえトキメイた。
仕事帰り、待ち合わせて会うこともあった。
シンクロと言うのだろうか
こんな時間に?っという遅くに
偶然コンビニで出会うこともあった。
初めての車の中で
私は彼についてどんどん質問した。
どんな食べ物が好きなのか!から始まり
自分のこと、家族のこと、友達のこと
1つずつ彼のことを知っている私になった。
あの頃は、車で気づけば2時間
電話でもそのくらい話してたかな。
当時、夫は単身赴任で、私は1人自由に暮らしてたから、少し遅い時間の呼び出しも、夜遅くなることも全然平気だった。
不良妻?まぁ、少しはそんな感じだろうか。
でも、これまで手すら繋いだこともない。
友人たちとの飲み会が決定し
彼も私も行くことになった。
お酒を飲まない私は、会の終わりにみんなを送り
遥君が最後になった。
『じゃっ!』って降りるのかと思ったが
そのまま車の中で2時間喋ってた。
夜中の2時。
40代の男女が真っ暗な車の中でしてたことは
ひたすらそれぞれの自分語りだった。
いつまでも聞いていたい気持ちと
指一本触れてもこない遥君は
私を女性として見てないのだと
私の女性性がどんどん崩れていった。
それでも、まだこれから幸せは続いていった。