誰もいない家に | 東京暮らし キナコの場合
義母の葬儀後、遺骨を持ち斎場から
義母が一人で暮らしていたマンションへ向かった
夫は別居後、自分は年老いた義母と
一緒に暮らすのがいい、などとも言
ってはいたが、余命宣告された後も
結局一緒に暮らさなかった
そのマンションに用意された祭壇に
遺骨を納め、夫は淡々と今後の予定
を決め、仕事があるから帰ろうと言
った
誰もいないマンションに遺骨を
置いたまま‥
ああ、やっぱり
夫のそういうところに家族への愛が
感じられない
死の悼み方は人それぞれだけれど
つい数時間前の葬儀で夫が義母への
思いを語った『心』や『愛』やらは
どこにあるのだろう‥


