本日2回目の更新です。

 5曲目の 「花と虫」 という曲から。

 今回のアルバムの一番最初のレコーディングになったという曲で、実は、NHKの朝ドラ 「なつぞら」 の候補としてこの曲も作っていたとの事。

 草野さん談として、「スピッツでドラマで流してもらえるっていうことは、こういう曲を求めてるのかなっていうイメージが自分の中にぼんやりあって。 その状態で作った曲がこの曲なんです。」 と。

 更に、「これはドラマで使われることになってたら、もうちょっとポジティヴな歌詞になってたんだろうなとは思います。」 とも。

 そうですね。 少しネガティヴ系の歌詞ではありますが、でも、
 
 「終わりのない青さは 終わりのある青さで
 
 気付かないフリしながら 後ろは振り返らずに」

 という歌詞の部分、特にこの曲の中で何回も繰り返される 「終わりのない青さ」 というところが、わたし的にはとても気に入ってます。

 「終わりのない青さ」 とは、どういう意味なのかな?

 私の個人的な解釈、見解で失礼しますが、きれいに晴れた空を見上げていると、空はどこまでも 「青い」 と感じる。 で、その 「青さ」 は、未来永劫続くように思える。

 しかし、いつ何時、当たり前のように存在しているこの世界、地球が、終わりを迎えるときが来るかもしれない。 それが、「終わりのある青さ」 と表現したのかな? とかね。

 或いは、「青さ」 とは、大切に想っている人の 「純粋さ」 。

 その人にだって寿命は、ある。 もちろん、自分のほうが先かも。 そういう風にも置き換えられるかな、とかね。

 「花と虫」 というタイトルは、音楽雑誌のインタビュー記事で草野さんは、「メタファーとしては、『女性と男性』 或いはその逆でもいい。 或いは 『故郷と都会』 とか、そういうところがモチーフになっています。」 と。

 リズム的には、軽快な曲。 﨑山さん談として、「 『春の歌』 みたいな雰囲気があるというか、この16ビート感は好きなんですよ。 そこがいい感じに出せて良かったなと思います。」 と。

 あとは気になっているのが、コーラスが入っているんですが、歌詞カードを見てもスピッツのメンバー以外のクレジットが無いんですよね。 草野さんの声なのかな?

 では、6曲目 「ブービー」 。

 少し暗めの曲調の曲。 でも落ち着いた渋めの曲で、この曲もいいですね。

 間奏のアコースティック・ピアノは、斎藤有太さんという方。

 「破れかけた 地図を見てた 宇宙から来た 僕はデブリ」 という歌詞で始まる曲ですが、私もそうでしたが、多くの方が気になったワード、(笑) 「デブリ」 ではないでしょうか? 「宇宙を回遊する物体 (宇宙ゴミ) 」 という意味です。

 テツヤさんもインタビューで 「俺も引っかかったのは <デブリ> って言葉。 毎回いろんな意味で引っかかるところはあるし、マサムネの詞から新しい言葉を覚えることも多いんだけど、まさに今回はこの <デブリ> に尽きる」 と。

 インタビューの質問で草野さんの答えが面白い部分がありましたので、そこを少し。

 質問 : 「ブービー」 とか 「デブリ」 にも表れているように、弱者の目線に立った曲なんですけど、その辺はどういうところから生まれたんですか?

 草野さん : 「歌詞って結局、自分だったらこういうことを歌われたいなっていうのが常に基準としてあるので。 ドラマとかでよく、『あなたの優しさは、優しさじゃなくて弱さだよ!』 みたいなこと言うけど、『いや、弱さでいいじゃん』 って思ったりするんですよ。
 『遠くばっかり見てないで、幸せはすぐ足下にあったりするんだよ!』 とか言われても、『いや、遠くの幸せが欲しいじゃん』 みたいな。 (笑) そういう自分なりの天邪鬼イズムがちょっと出てる。」

 (笑) そうですね。分かります。

 人に優しくできる人って、それは実は 「強い人」 だと思います。 わがままで自分勝手なやつ、人に優しくできないやつは、自分を律する事ができない弱い人間。 ドラマの中の台詞の話しをされていますが、「あなたの優しさは、弱さだ!」 なんて言うのは若い女性に多いかな。 「分かってないね」 って思います。 もうちょっと人生経験積まないと、分からない事なのかな ・・・ って思っちゃいます。

 最後に、この曲だけ今回のアルバムの中で草野さんはギターを弾いてないとの事。

 なのでね、ライヴでは草野さん、ワイヤレスのマイクを使いステージから降りて、客席の 「あなた」 のそばに行き、囁くように歌ってくれる事でしょう。 (笑)

 
 では、またね。

 次回、かっと飛びの曲、「快速」 から始めます。 お楽しみに。