スピッツの最新アルバム 「醒めない」 から今日は、5曲目の 「ナサケモノ」 を。

 タイトルを見ると、? ってなりますね。

 「情け モノ」 ? って思うかもしれませんが、そうじゃなくてこれは、草野さんの造語で、「情けない ケモノ」 を短縮して 「ナサケモノ」 としたようです。

 何が 「情けない」 のかと申しますと、ご自分の事ですね。 自分をちょっと卑下して、自虐的にそう呼んでるわけです。

 歌詞の中で直接、「情けない 獣さ」 と歌っている部分もあるし、「ついに叶わず 逝 (い) けてない 屍 (しかばね) さ」 とか、「甘えた オンボロさ」 という歌詞もあります。

 これは、ずっと好きだった人の事を忘れられずに、だけどいまだに 「伝えたい 気持ちがある」 っていう、そんな情けないと思う自分を歌った曲ですね。

 サウンド的には、イントロの導入部分では、何やら色んな音が聴こえてきます。

 時計のカチカチっていう音、動物の鳴き声? や、電話の話し中の時のツーツー音、FAXの? 音、ゼンマイを巻くような音、チーンという電子レンジの温めが終わった時のような音、ドアを閉めた時のバタンという音。

 ゼンマイを巻くような音とチーンという音は、田村さんが家からキッチンタイマーを持って来て、それをマイクの前に置いて録音したとの事ですが、このね、「チーン」 という音が、曲中で、いい所で使われてるんです。 ^^

 自虐的な内容の歌詞とは裏腹に、サウンドは、とてもポップな曲調。

 何故だろうか? 音がすごく良くて、メインのイントロが始まった時のギターとベース、ドラムの音のバランスがとても良く、すごく心地良く耳に入って来る。 不思議な曲です。


 そして6曲目。 (おー、ついに続けて次の曲行くんかー! ) ^^

 「グリーン」 ですが、ここだけ今までの曲順の流れが変わります。 ここまでは、アップテンポの曲や楽しいサウンドのポップな曲の後は、しんみりとしたバラード系などの曲にして、緩急 (かんきゅう) を付けているんですが、これは、テツヤさんがラジオでおしゃっていましたが、「今回、アルバムに収録する曲順を考えるにあたって、すごく念入りに決めた。 」 と。 その効果がこの 「緩急」 にもあると思うんですが、しかしながら、ここの部分だけは変えています。

 5曲目のサウンドが楽しくポップな 「ナサケモノ」 の後ですが、「グリーン」 は、もう何も言う事は無いくらいの気持ちの良い、疾走感溢れるパンク系ロック。 ただのパンクでは、ありません。 しっかりメロディアスなので、メロパンクですね。 聴いていると、脳内からアドレナリンが噴き出し、鳥肌もんの曲です。

 例えば、このような曲ばっかりを前面に打ち出しているロックバンドであれば、ライヴではきっと、※サークルモッシュや ※ダイブが起こりそうです。 そのくらいのスピード感あるロックです。

 「サークルモッシュ」 = オールスタンディングのアリーナで、真ん中を円形状にスペースを空けて、そこを興奮したお客が、円になって走りまくるっていうもの。

 「ダイブ」 = これまたオールスタンディングのアリーナで、一部の観客が後ろから前に向かってお客の頭の上を転がって行くもの。

 スピッツの曲と言うと、CMやドラマのタイアップで使用される曲、テレビの音楽番組で演奏されるシングルカットされるような曲だけ聴いていると、まったり系と言うかな ・・・ そういう曲ばっかり前面に出て、こういう思いっきりスピード感のあるロック系の曲って、ファンでも無い人だと、なかなか聴ける機会が少ないと思うんですが、実は、スピッツの良さって、まったり系で切ないメロディの曲だけでは50パーセントしか分からない。 こういう 「グリーン」 のような、ハードなギター・サウンドのカッコいいロックを知って初めて、「100パーセント スピッツ」 なんですよねー。

 だから、前から私が勝手に考えている事なんですが、ロック調の曲ばっかり集めた 「ベスト盤」 を出してみたらどうだろうか? ってね。

 「トビウオ」 や 「りありてぃ」 や、今回のこの 「グリーン」 や 「こんにちは」 などを集めたベスト盤。 いいと思うんですけどねー。 それだけじゃ、なんだって言うのなら、逆に思いっきりまったりした曲 「ランプ」 や 「猫になりたい」 、「うめぼし」 とか^^ 今回の 「モニャモニャ」 とか、を集めた 「超まったりベスト」 ですね。 その二つを組み合わせて、2枚組でリリースするっていうね。

 どうでしょうか? ユニバーサル ミュージックさん? (笑)

 これだけ激しいロック系のいい曲があるアーティストって、そんなにいないですよ。

 こういう楽曲ももっと、全面に出せたら、男性ファンが、さらに増えると思うんですけどね ・・・

 で、アルバム・リリースに伴った宣伝活動の一環で、テレビの音楽番組などで、ここから激しい曲を3曲くらいをメドレーで一気にやっちゃってごらんなさいよ、それを見た男子中学生、高校生などはもう ・・・ 目から鱗が、耳からは、えっと何だろうか ・・・ とにかく何かがはがれ落ちて、夢中になる事、間違い無し、です。 (笑)

 でもまあ、そもそも、スピッツのメンバーの方達が 「ベスト盤を出す事は、あまり望んでいない」 っていう昔からの考えもあるでしょうから、難しいのかもしれませんけど ・・・

 あ、話しが脇にそれましたね。

 6曲目の 「グリーン」 は、何故、そのようなタイトルなのか、謎を紐解きますと、歌詞の中に 「今、芽吹いたばっかの種 はじめて見たグリーンだ」 という部分があるからですね。

 最後の方の歌詞には、この部分の続きで、

 「憧れに届きそうなんだ 情念が 脳内の 火焔土器に あふれているよ~ 」 と、あります。

 はて? この中の 「火焔土器 (かえんどき) 」 とは、何でしょうか?

 これは、草野さんが、縄文 (じょうもん) 遺跡にハマっていた時期があって、三内丸山 (さんないまるやま) 遺跡を見に行ったりしてた事がある、と。 そこから持って来たワードですね。

 すごいですよね ・・・ 縄文式土器の名称と現代のロック・ミュージックの歌詞が融合してるんですよ ・・・

 そこが、草野マサムネの、スピッツの、非凡なところです。

 この 「火焔土器」 ですが、どんなものなのか、見てみたくないですか?

 任せて下さい。 YouTube から持って来ています。 この辺が私の音楽ブログの非凡なところです。 ^^
 一つ目の映像は、三内丸山遺跡の概要を説明した映像。 二つ目が、火焔土器です。




 

 

 スピッツの曲に合わせてブログを書くと、こんなんなってしまいます ・・・ ^^

 では、続けて行きます。 7曲目 「SJ」 ですね。

 このタイトルだけは、意味不明です ・・・ ^^

 「エスジェー」 ですかね? 何かの略語? 誰かのイニシャル?

 英語で仮タイトルを付けてしまったけど、うちら的にはこれは恥ずかしくない? って事で、X JAPAN のように 「Silent Jealousy」 (サイレント・ジェラシー) みたいなタイトルをね。

 で、「SJ」 にしちゃおう、とか。

 或いは、誰かのイニシャル? 女性だと仮定して例えば 「佐藤純子」 さんとか? (笑)

 それとも、何かの略語? 昔のテレビアニメで、「スーパージェッタ―」 というものがありましたが、それとかね。 ありえないね。 でも、「種明かしすると、けっこう恥ずかしいので、しません」 ってメンバーのどなたかが、言ってたような。 ^^

 えっと、先ほどの 「火焔土器」 で、なんか今回の私、ふっ切れてしまいましたので、この 「スーパージェッタ―」 ですね。 超ウルトラ久しぶりに主題歌を聴きたくなって ・・・

 ちょっとお付き合いください ・・・




 あ、「SJ」 ですね。 真面目に行きます。 ^^

 切ないメロディの 「スピッツ流和風ロッカバラード」 です。

 この曲私、大好きで ・・・ もしかしたら、アルバムの中で一番好きかも ・・・ 一番は決められないんですが、そのくらい良いですねー 。

 「夢のかけらは もう拾わない 君と見よう ザラついた未来~ 」 と声高々に情感込めた歌い方で、マイナー調の曲なんですが、草野さんのある種の前向きな気持を歌詞に乗せ、決意表明をしてるような、そんなパッションが感じられる。

 サビから始まる、歌い出しからキーが高い曲なんですが、エンディングでは、更に転調して高くなっていて、ドラマチックでエモーショナルな展開となっていますね。

 この転調は、アレンジャーの亀田誠治さんのアイデアだったそうです。 前回のアルバム 「小さな生き物」 からストリングスを使わないで、バンドだけで、バンド・サウンドだけで作って行きたいというメンバーのコンセプトがあったようで。 しかし、ストリングスを使わないで、楽曲に奥行きや幅の広さを出すには、それは、簡単な事では無いと思います。

 映画やドラマの音楽などは、感動的なシーンには、音楽も、より感動的なものにするため、オーケストラが入り、ストリングスを使う事が多いわけですから。

 で、そうなの? 「ちいもの」 から使って無かったの? って思うほど、それまでのアルバムと比べて違和感はありません。 それは、すごい事だと思います。 楽器を演奏するミュージシャンのテクニックにもよるものも、あるわけですから。

 言われてみれば、ああ、なんか全曲ロックしてるなー! ってアルバム聴くと感じます。


 
 では、今回は、このあたりで。

 (3曲やったー! ) ^^

 (まだ半分だけど~ ) ^^



 では、またまた台風が今度は、北九州方面に向かってるのかな ・・・ 心配ですね。




                       またね。