「巨人ファンの人って、どのくらいいる? 中日ファンは? 」 ・・・

 「今日は、東京ドームでデイ・ゲーム、巨人・中日戦があるね。 野球の結果が気になる人は、一旦、浜田のコンサート会場を出て、水道橋に行き、野球を見終わってからまた、ここに浜田のライヴを見に来るって事をやっても、まだ俺達やってるよ。 今日は、そんな長いライヴになると思います。 そんな、ゆったりとした気持ちで最後まで楽しんで行って下さい。 」

 ・・・ これは、浜田省吾 7月3日、代々木のライヴでの最初の方のMC。 もちろん、「一旦出て、野球を観に行く」 なんて事をする人は、いるわけも無く、浜田さんのジョークですが (笑) ・・・

 実に16時30分開演で、終わったのが20時20分。

 3時間50分に及ぶ、白熱・怒濤 (?) のライヴ。

 一夜明けても、まだ、私は興奮と感動が冷めやらず ・・・ 。
 
 1986年10月に行われた、「I’m a J.Boy Tour」 (3時間30分) 以来の長い上演時間でしたが、全く 「長い」 とは、感じず、終わって時計を見たらびっくり! という感じでした。

 ただ、私自身、25年という歳月の流れに身体は正直で ・・・ 足腰は、やはりそれなりに痛む ・・・ (笑) 。

 今回のツアーは、過去に浜田さんが発表したメッセージ性の強い楽曲、社会的な問題を歌った内容の楽曲、を集めて制作されたアルバムとDVD 「僕と彼女と週末に The Last Weekend 」 を基に構成されるという事は、分かっていたので、当然シリアスな内容の曲が多くなるだろうと ・・・ 。

 そして、アルバムなどのリリース後、コンサート・ツアー・スケジュール発表後に起きた今回の震災・原発事故を受けてのツアー敢行、という事ですので、いつもとは違った気持ちで会場に入ったお客さんも、私を含め多かったんじゃないかと思います。

 しかし、「ライヴ」 「ロック・コンサート」 というのは、「楽しい物でもなくてはいけない」 という浜田さんの今までの一貫したポリシーにもあるように、特に、コンサート中盤には、定番になったアリーナ席中央での 「センター・ステージ」 で演奏される数曲と、客席とのコミュニケーションは、本当に楽しいものでした。


 初めて私が浜田さんのコンサートを観たのは、1984年の横浜スタジアムでの野外ライヴでした。

 以来、お客さんとして、或いは仕事として (若い頃、コンサート・スタッフという形で ・・・ ) 、浜田さんのライヴに参加してきたライヴ本数は、一体、何十本? 百何十本か? 数えた事が無いですが、昨日のライヴは、「過去最高のライヴ」 と言っても過言では無いものでした ・・・ 。

「震災以来、困難な状況・精神的な苦痛などがそれぞれの方達にあると思います。今夜は、一時でもそんな事を忘れられる時間を過ごす、というのでは無く、そういう気持ちや感情を持ちつつ、楽しんでいって貰いたいと持っています。」

 「俺達、ミュージシャンやスタッフ、全身全霊でやります! 」

 と、いう浜田さんの言葉どおり、熱の入ったステージでした。

 ストリングス・チームは、若い女性の演奏家達に今回から様変わりし、なんと、可愛い子が多い! 。

 こんな時、サックスの古村さんや、ギターの町支さんなんかは、嬉しそうに女の子をチラ見しながら、演奏するってのが常だったんですが、今回は特に古村さん、どうしちゃったんでしょうか? 女の子達には脇目もふらず、真剣な顔付きで演奏に集中してました。 (これは、逆にカッコイイ所を見せようという、アピールか? (笑) )

 さて、今日の曲は、アルバム 「J.BOY」 が発表されてからは、ライヴでは重要な位置を占める楽曲の一つとなった曲 「J.BOY」 を。

 「J」 とは、「Japanese」 の略。

 アルバム製作当時、CBSソニーのディレクターとして浜田省吾の担当になっていた須藤 晃氏は、同じく自分が担当しているアーティストの一人である杉 真理の同時期に発売するアルバムの中に 「Japanese Boy」 という楽曲がある事を知っていて、その事を告げたが、浜田は 「それでも構わない、誰かが似たような言葉を使っていたとしても、自分の中に必然性があれば、その事は問題にすべきではない。 」 と語ったという。

 このエピソードは、音楽ライターの田家秀樹 (たけ ひでき) さんが出版した 「浜田省吾ストーリー 陽のあたる場所 」 から引用させて頂きました。


 1980年代中頃、資源に乏しく、しかし、見せかけの豊さを手に入れたこの国、日本。

 心に空虚さを感じつつも、山のような仕事を抱え込んで凌いでいる、会社勤めをしている主人公。

 その2つを対比させながら、「Show me your way! 」 と、擬人化した日本という国へ、自分の心へ 「お前のゆく道を俺に見せてくれ! 」 と、問いかけている浜田省吾の珠玉の一曲。

 社会を真摯に見つめ、扱いづらいテーマを真面目にソングライティングしてきた浜田さんならではの曲。

 今回のライヴでは、私はこの曲で涙があふれました。 今までのこの曲に対する感覚と3.11以降では、微妙にニュアンスが違ってますが、根底に流れるものは一緒だと思います。

 そういう意味で言えば、「僕と彼女と週末に」 もそうです。 これも、感、極まりました ・・・ 。



 昨日の私と家内の座席は、なんとアリーナ席二列目! 端の方だったので、一列目が前に無い。殆ど一列目、と言っていいような席でした。 端っこと言っても、ステージの設計上、下手の花道が出っ張っているため、通路を隔てて左には、あるべき座席が無いので、殆ど古村さんの立ち位置の斜め前、という感じで、座席に着いた時には、それだけですでに感動状態。


 次の公演スケジュールは、宮城だったんですが、延期になっていて、その次の北海道まで約2週間、間が空いたという事もあってか、本当に 「全身全霊でやる! 」 という意気込みが伝わってきたライヴした。


 映像は、ライヴ (高画質) 。 見ながらまた、感動。



 









 そして、もう一曲。 以前、センター・ステージで演奏された曲 「Walking In The Rain」 をそのライヴ映像で。

 梅雨時って事で、 雨に関する曲を。











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         では、また。