しばらく、原子力発電に関する内容や、反原発に関連した音楽の楽曲を取り上げて行こうと、思っています ・・・

 重いテーマを扱う事になりますが、どうか、ご了承下さい。


 まず、「原子力発電とは何か? 」 という事から ・・・ 。

 原子力発電とは、原子炉を利用して、核燃料であるウランやプルトニウムが核分裂反応をする際に発生する熱で水を沸騰させ、水蒸気でタービンを動かして発電する事。

 ――― 歴史 ―――

 1942年 (日本に原爆が落とされ、第2次世界大戦が終結したのが1945年) 、シカゴ大学のエンリコ・フェルミが、実験炉で原子力発電の原理となる核分裂の連鎖反応を行う事に成功した。 そして、原子力発電は、1951年に発電を行った実験炉、EBR-1から始まった ・・・ 。

――― 世界の原発 ―――

 世界の原発設備基数は、アメリカが第1位で、運転中が104基 (+計画中が1基) 、2位フランス59基 (+建設中が1基) 、3位がなんと、日本で55基 (+建設中3基、計画中11基!) 、4位ロシア27基 (建設中8基、計画中5基) 。 そのあと、ドイツ、韓国、ウクライナ、カナダ、イギリス、スウェーデン、中国と続き、全世界で合計435基が運転中。 建設中が43基、計画中が53基となっている ・・・ 。

 アメリカでは、スリーマイル島原発 (ペンシルヴェニア州) が、1979年に2号機が炉心溶融事故 (レベル5、ちなみにレベル7が、最高値) を起こしてからは、新規に建設された原発は、今の所無い。

 広大な土地面積を持つロシアが4位で、狭い国土の日本が、倍の原発を所有しているという事もびっくりですが、チェルノブイリでの事故 (1986年、レベル7) を起こしているロシアが、新たに8基を建設中で、更に5基を計画中という事は、どういう事だろう ・・・ 。

 チェルノブイリ事故は、現在、1991年にロシアから独立した、ウクライナ共和国に処理義務がある。 発電所は、現在でもなお、高い放射線を放っているという ・・・ 。

 ――― 事故の歴史 ―――

 代表的な原発事故の歴史は、1957年にソ連、同年イギリス、1961年アメリカ、1963年フランス、1966年アメリカ、1979年アメリカ (スリーマイル島) 、1986年ソ連 (チェルノブイリ) など。

 これ以外に、沸騰水型原子炉の臨界事故もアメリカ、スウェーデンで計3件、更に、軍事原子力事故 (原子力潜水艦の事故や沈没) など、数多くあるとみられるが、そのほとんどが、各国が第1級の 「軍事機密」 としているため、明るみに出ていない。 旧ソ連は、原子炉を伴った原潜を少なくとも日本海に4基、北極海に17基投棄しているという ・・・ 。

 日本国内での原発事故は、1978年の福島第一の3号機、これは、日本で最初の臨界事故とされているが、なんと、事故発生から29年後の2007年3月22日に発覚、公表された。
 東京電力は、「当時は、報告義務が無かった」 と主張しているとの事 ・・・ 。
 もちろん、この事故でも少なからず被曝者は、いたと思われます。

 そして、レベルの度合いは、3~4ですが、1989年福島第二3号機、1990年福島第一3号機、1991年関西電力美浜、同年、中部電力浜岡、1999年北陸電力志賀などなど ・・・ 。

 なるべく、隠ぺいしようという体質は、現在にまで至っているので、公表されていない事故は、もっとある事でしょう。

 今朝の (20011年4月24日) 読売新聞の朝刊、一面で、こういう記事がありました。

 「放射能、大気放出続く 福島第一 今月5日 1日154テラ・ベクレル」 という見出しで、「内閣府原子力安全委員会は、放出量が落ち着いた今月5日の時点でも、1日あたり154テラ・ベクレル (1テラは1兆) に達していた事を明らかにした。 国際的な事故評価尺度 (INES) で使われるヨウ素換算値で、ヨウ素とセシウムの合計量を計算し直すと、この値になる事がわかった。
 同委員会は、この日の放出量について、ヨウ素とセシウムの量を単純に合計し、「毎時約1テラ・ベクレル以下」 と低く見積もっていた。 」 「放出量はあくまで推計で、誤差や変動も大きい。 原発周辺での放射線量は徐々に下がっている」 としている。

 そして、「東電の工程表で放射性物質の放出を管理する段階に移るのは、4か月目から。 単純計算では、今後3か月の放出量だけで1万テラ・ベクレル (INESのレベル6相当) を越える事になる。 」


 という記事 ・・・ どうでしょう? ・・・ 。

 何故、最初からINESで使われるヨウ素換算値で計算しないのか?

 そして、「推計」 は、あくまで 「推計」 だろうが、しかし、だからって、「低く見積もる」 事はないでしょう? ・・・ 。

 日本だけに限らないが ・・・ 何を持って、原発は 「安全」 と言いながら、人々をだましてきたのか?

 原発の歴史は、事故の連発の歴史ではないか?

 人間が、便利で快適で豊かな気持ちになれる生活を営んでいくためには、電気は、もちろん必要です。 しかし、騙し騙しやってても、必ずいつか、しっぺ返しが来る。

 被曝した人間は、早くて、10~20年後の未来には身体に異常が出てくるのでしょう ・・・ 。

 使用済み核廃棄物を地中深く埋めて、「はい、おしまい」 。 将来、大きな地震や地殻変動が起きて、放射能物質が地上に吹き出し 「さあ、大変」 。 物質の種類によっては、自然浄化するのに2万4千年かかるものもあるという。

 何百年~何万年も地中で廃棄物を隔離し、入れておく器なんてあるのだろうか?

 原子力潜水艦のボディーは、鉄で作られていると思うが、海水の中で、一体、何十年間朽ちずにいられるのだろうか?


 それらの脅威にさらされた未来の子孫たちは、過去の私達のやってきた事を恨む事でしょう ・・・ 。




         では、また。