長渕 剛(ながぶち つよし)で行きます。
デビュー当初は(1978年)、痩身で、長髪のフォーク・シンガーというイメージで、「遅れてきたフォーク青年」と呼ばれたりもした(フォーク・ブームが過ぎた後だったため)。
透明な声と繊細なラヴ・ソング、達者なフィンガー・ピッキングによるアコースティック・ギターで人気を博した。
その後、自分自身の作りたい楽曲のイメージとの間で悩み、1980年代の半ばから発声方法を変える様になった。ボブ・ディランの歌声への憧憬から、焼酎やルゴール原液で何度もうがいをし、歌手の命でもある喉を焼き切った。
しかし、それでも簡単には声質は変わらなかった。長いライヴ活動を続けていくうちに、しわがれた声へと変わった。
そうして、長年のキャリアで培われた独特の歌唱法や楽曲のスタイルは、10代から中高年層で多くのファンを生み出した。
また、そうした荒療治や歌唱法により、喉にポリープが出来ている事をインタビューで告白している。しかし、ポリープを除去すると声質が変わると、医師に宣告され、声質を変えたくない彼は、悩んだ末そのポリープを除去せぬまま、今の声質を保っているとの事・・・。
今日の曲「夏の恋人」は、1981年リリースのシングル。まだ、声質や歌唱法が変わる前の頃の曲です。
長淵さんの曲には珍しく、作詞・作曲とも他人との共作となっている。
これは当時、山梨りょう平、藤岡孝彰、板垣秀雄の3人で結成されていたバンド「Do!」に長渕が加わる形で結成されたバンド、「チョコレッツ」としての活動の延長線上で製作された曲であるから。
要するに、ちょっと遊び心で、「夏の、海を題材にした恋の歌を作ろう!」という企画系バンドの曲だったのでしょう。
収録されているアルバムは、1985年にCD化され再発売された、「BEST NOW 長渕 剛 1978年~1981年」らしいんですが、amazon で出てきませんでした。
では、また。