間口と奥行き。 | 「ニットキッチン」元社長の奮闘記

間口と奥行き。

物事そうそう上手くいくことばかりではありません。


3店舗体制になった「Knit Kitchen」も
しばらく鳴かず飛ばずの
苦しい時期を過ごします。



もともと「Knit Kitchen」のブランドコンセプトは
「シンプルなデザインで着心地の良い良質なベーシックニットを
工場直のお手ごろ価格で!」


みたいなところに重点を置いていました。


しかし、これって作り手側のただの


自己満足に過ぎないんですよね。


「こんな良質なニットがこんなに安く
手に入るんですよ!d( ̄ー ̄)エヘン」みたいな・・・



「・・・だから?」



消費者は、多少高くても
欲しければ(=可愛ければ)買うし、
欲しくなければ(=可愛くなければ)、


いくら安くても買わない。
いたってシンプルですよね。




消費者が「欲しい!」と思うのには
いくつか理由があると思います。


「雑誌に載ってるから」
「有名人やモデルさんも着てるから」
「トレンドだから」
「好きなブランドだから」


などなど・・・。


100人いたら100個の理由が
あるかもしれません。


だから、全ての人に「欲しい!」って
思ってもらえる服を作るなんて
ほぼ無理なんです。


これに気付くのにかなり時間がかかりました・・・。


万人受けは一切考えず、
「JJ」の読者の女の子たちだけに的を絞り、
彼女たちに「欲しい!(=可愛い)」と思ってもらえる
服だけを作ることにしました。


あえてブランドの「間口」を狭くしたんです。


その代わり「奥行き(=品揃え)」は深くしました。


「JJ」を読んでない人は聞いたこともないブランド。
だけど
「JJ」の読者にとっては、たまらないブランド。


これが答えでした。


ちょうど、JJが仕掛けた「神戸系エレガンス」のさざ波が
大波になりつつある頃、



「Knit Kitchen」も、ようやく
「誰」に「何」を売るブランドなのか
コンセプトが明確になります。


会社を設立して2年目の、2000年12月のことです。


そうと決まれば
あとは「攻め」あるのみです!


続きは次回。



倒産まで あと 2,007 日