「和紙素材ニット編」

この数年、

夏の定番素材として使用されている和紙素材ですが、「和紙」ってどんな素材で、どんな風に作られているのかしら?

 

そもそも和紙って!?

 

*Goo辞書で検索してみると、

ミツマタ・コウゾ・ガンピなどの靭皮 (じんぴ) 繊維を原料として、手漉 (す) きで作る日本古来の紙。強靭で変質しにくく、墨書きに適する。美濃紙・鳥の子紙・奉書紙など。俗には、和紙に似せてパルプ・マニラ麻などを機械で漉いた洋紙も含めていうことがある。日本紙。わがみ。

 

手隙の和紙こそが和紙。との見解があります。

 

私が信頼している糸創り45年以上の社長さんにうかがったところ、同様な返答をいただきました。「和紙とは、手隙の工程で作られている。日本では美濃市・島根県・群馬県で主に創られている 本和紙 が和紙である」とお答えをいただきました。

 

 

 

世の中に流通している工業用の「和紙糸」の正体は!?

 

その正体は研究開発によって「工業的に量産化に成功した和紙」なんです。

(抄繊糸とも呼ばれています)

和紙(抄繊糸)は原料メーカーによって特徴は様々でございます。

私たちのブランドがお世話になっている原料メーカーから少しご紹介させていただきます。

 

 

-OJO-オージョ

日本を代表する紙のプロフェショナル企業・王子ファイバー株式会社

 

 

 

 

<生産工程>

 

1:原料はマニラ麻です。

紙の原料と言うと「木」をイメージされる方が多いかと思いますが(私も木だと思っていました)マニラ麻を使用しています。

マニラ麻はおおよそ3年くらいDE、高さ5〜6mくらいまで成長します。

空気を含む繊維なので軽いのが特調です。

 

2:特殊は釜を使って紙の原料である「パルプ」を作ります。

 

3:製紙工程

出来上がったパルプから20,000m以上の紙糸ロールを作ります。

 

4:スリット工程

紙ですから糸にするには細く切らないといけません。1mm〜6mmまで調整をして細く裁断して、テープ状の糸にしていきます。

 

5:撚糸加工

平たくスリットされたテープ状の糸に撚りを加えて糸の形状にします。

 

 

-大福製紙株式会社-

和紙の本場、美濃市の伝統と技術を生かして和紙を生産している企業です。

物作りに大切なのは「産地」です。水や湿度、環境によって作られる風合いや手触りが変わってくるからです。

 

 

 

<ニット用の糸に加工>

和紙の原糸の状態からニット製品用に糸を加工します。

 

1:原料選び

和紙の太さは平米数で決まります。

1平米---15g 定番の太さ

1平米—12g 細い糸に仕上がります。

1平米—10g 滅多に使いませんが、非常にデリケート。

私たちが使用している和紙糸は15gを中心に使用しています。

 

2:和紙との相性

和紙100%も良いですが、和紙と撚糸する素材を選びます。

せっかく軽い和紙糸ですから、上質な素材と組み合わせを行います。

私たちが選ぶのは「シルクや綿」です。

 

3:撚糸加工

丁寧にゆっくりと撚糸加工を行います。

↑↑↑

よく見ると平たい和紙の形状が残っているのがわかるでしょうか?

スピードを上げれば、生産量も上がります。

しかし、

和紙の形状が丸くなり、重く仕上がります。。。

 

 

<和紙の特徴>

・エコロジー素材

・吸放湿に優れて快適な着心地

・通気性に優れている

・麻糸と同様に清涼感がある

・非常に軽い(比重は麻糸の1/3)

 

 

いかがでしたか!?

日本古来から受け継がれてきた技術を研究のおかげで、

みなさまに心地が良いニットアイテムをご提案することができます。

実際に「着て」「見て」「触って」そのサラサラした着心地を体感してみてはいかがでしょう。

 

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追記事項:

最近では和紙の糸が流行して、和紙のようで和紙じゃない!?少し重かったり、少し肌触りが違う和紙が流通しています。

それは、

和紙にレーヨンのわたを混ぜたりしているそうです。レーヨンはもともとパルプから作られています。なので和紙とレーヨンは相性が良い訳です。

理由は:安い。加工しやすい。和紙糸の物性が安定しやすい。

和紙糸に厳密な検査や基準がないので、このような曖昧な和紙糸が流通しています。

 

どちらにしても、選ぶのは私たち消費者です。

実際に「着て」「見て」「触って」試着して自分の気に入った和紙糸のニットを探してみましょう!