森戸マスクについての一考察

梗概
森戸呈次郎氏製作のマスク2種類を、ランニング中に実験的に使用した結果、それぞれに長所と短所が感じられた。そのことから、使用条件や個人差に合わせて、2つのタイプを使い分けるべきという結論を得た。

実験の条件
製作者:森戸呈次郎
実験およびレポート:西坂和行
実験日時:2020年6月10日正午~午後1時
実験場所:荒川の清砂大橋の上
気象条件:晴天、気温30℃程度、通常より強い横風

用語の説明
本品名を「森戸マスク」と呼ぶ。図に示した本体部分の名称「上帯(うわおび)」と合わせ、実験者およびレポーターが便宜上命名した。

森戸マスクの概要
森戸マスクは、ウイルスの侵入を防ぐのにはほとんど効果をなさない。しかし、ウイルスを含む飛沫の噴出を抑える効果があり、かつ呼吸が通常のマスクより楽にできるという特長を有する。
その仕組みは、形状記憶合金の針金(ワイヤー)をマスクの中央で、縦に縫い込むことによって、マスクの縦の形状を固定し、マスクの布地が口や鼻孔に貼り付くのを防ぐものである。なおかつ、マスク下部が解放されているので、呼気の流れをほとんど妨げない。これらによって、当該マスクは、通常のマスクに比べ、はるかに呼吸が容易になっている。
森戸マスクは、いくつかの試作を経てきたが、その中から、最新の2つのタイプを比較実験した。

Aタイプ:上帯(うわおび)にまでワイヤーが延びている
<装着感>
ワイヤーと鼻は、1点(もしくは限られた部分)だけで触れている。装着感としては、その分不安定になっている。
締め付けを強くすると安定するが、マスクは上にずれ、眼球に触れてしまうような恐れを感じる。
締め付けを緩めることで、それは解消するが、マスクの安定した装着感は損なう。走っている最中に下に少しずつずれる、強い横風では針金の向きが変わる(マスクのよじれた状態)、針金の反りが強風に負け逆に鼻の形状に変わる、といったこともあった。ただし、どちらも走りながら片手で簡単に直せる程度である。これらの微調整が面倒でなければ、使い勝手はいい。

Bタイプ:ワイヤーは上帯(うわおび)の下までしかない。
<装着感>
上帯にワイヤーがない分、上帯全体がぴったりと皮膚につき、装着は安定する。安定してぶれない分、形状記憶合金の機能が十分に発揮され、口や鼻孔とマスクの距離は保たれ、楽な呼吸が安定的に続けられる。マスクの締め付けの強弱にもほとんど影響を受けない。通常は、こちらの方が高性能だといえる。
ただし、今回の気象条件で気になる点が感じられた。実験者が汗かきであるため、顔面を流れる汗がマスクの上帯部分に滞留するのである。皮膚に隙間なく付着しているので、その逃げ場がない。したがって、激しい汗かきの人は夏場での使用は一考である。

結論
総じてBタイプの方が使いやすい。しかし、夏場は、汗対策としてAタイプの利用も有効だ。Aタイプは、締め付け具合を微調整することで快適度も大きく変わる。個人差に合わせた選択と微調整が、森戸マスクをより快適にすると思われる。

最後に、本記事の原稿料について、製作者から高額の支払いが予定されているという噂がある。本当であれば、原稿料を堀越さんと分かち合い、それぞれ一軒家を建てるつもりである。

東京都貧民窟生活者救済委員会事務局事務局長代理補佐心得