クニペックス『プライヤー』
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ここ数年、道具に対する良く言えば愛着心、悪く言えば執着心が顕著になってきた。

ふと、いつからこんなに道具に興味が湧いたのか振り返ってみた。


…そう言えば、ウチは左利きの矯正を兼ねて(らしい)幼稚園での仲の良いお母さんグループの子供みんなで始めた書道教室

他所の教室は知らないけど、自分が通っていたところは練習が終わっても筆は洗わずに練習した紙で拭き取るだけにしなさいと教わった。
当然に次の練習日までには固くなるけど、硯に入った墨に漬けると問題なく書けた。

でも、流石に繰り返すと数ヶ月でダメになる。(子供だから安価な筆を使ってたこともあるかな)

元々はやりたくもない左利きの矯正だから、同じのを買い直す。嫌々ではあったけど継続は力なり、幼稚園の途中から始めて小学生に上がると小学校内のコンクールでは一年生からいつも賞を取ってた。当時はなんで左利きの自分よりこんな下手な字しか書けないのかって思っていたかな。


ある日、いつもは筆の代金ピッタリにお金を渡す母が2,000円を渡してきた。いつも買うのは1,200円。小学生で配られる書道セットに入っているようなベタベタな筆、ドラクエで言えば「どうのつるぎ」みたいな。

先生に2,000円を見せて筆を選ばせてもらったら、自分の中ではピカピカに光って見える筆があった。値段は丁度2,000円。商談成立(笑)


席について筆を握った瞬間に、もう自分じゃない感覚が走った。というか、自分がなくなった?感じ。
筆に意志があって、字を書いてる。筆そのものが自分でもあり、でも、意識はないような感じ。
あ、そうそう「獣の槍(うしとら知らない人はごめんなさい)」(笑)に取り込まれる時の描写が感覚として近いかな。字に今までにない魂が宿っていくのが、隣に座ってた教室の子にも先生にも分かったみたい。

たまたま県のコンクールに出す作品を書く日だったんだけど、先生がどれを出すか最後まで決められなかった。それくらい、どれも捨てがたい作品になってた、のかな。結局、それが特別推薦賞みたいなのになって(今まで教室から出たことない位の賞)賞状や記念品を貰えた。

将来の有望株に躍り出ておきながら、結局、一緒に始めた子達の中では一番最初に辞めてしまったけど、あれが原点なのかな。自分の実力ではないものが、あの筆によって導かれた。

でも、今思うと2,000円(笑)

帰ってから、お釣りはないことを伝えた時は母に怒られたけど、結果は前述の通りだから後日許してくれた。


下手だから不器用だからと、高い物や良い物は勿体無いって考えは僕は違うと思う。
だからこそ『道具に力を貸してもらう』、そして、道具に感謝する。


いい加減、クニペックスの話に戻ろう。
クニペックスのプライヤー、素人だから知らないけど、正式な名称があるかもしれないし正式な使用用途があると思う。自分は何にでも使ってる。


あの筆以来、久しぶりに衝撃の走った道具。


大きな特徴は、接触面がギザギザしてないから掴んだものを傷めない。ペンチは大体どの家庭にもあるし汎用性の高いツールだけど、ペンチって掴んだものを傷めてしまうから、使った後で後悔することが多いんだよね。

これは全くその心配がない。小物でも、DIY作業でも素材を気にしなくていいし、比較的高価なアクセサリーにも気にせずに使える。


機能面でも100点な道具だけど、実はこの工具を気に入った理由が他にもある。思い切り個人的な理由。

とにかく正に「逸品」ってやつです。