新山ひでや師匠がお亡くなりになりました。びっくりしました。つい最近まで元気だったから。何ヵ月か前に体調悪いと連絡受けました。しばらく会っていませんでしたが、先日、巨人の原監督と一緒にひでや師匠のギャグ「最高!最幸」のポーズをやったニュースを見て、「嬉しいです」と連絡くれました。これが最後のやりとりになりました。優しい師匠でした。元々は新山ひでや・えつやというコンビで一世を風靡しました。当時のスケジュール帳を見せてもらった事があるんですが、1年間で休みが数日しかないほど真っ黒でした。相方のえつや師匠が脳梗塞で倒れて、舞台に上がれない体になってしまい惜しまれつつ解散をしました。1人になったひでや師匠を支えたのが、奥様のやすこ師匠でした。普通の専業主婦から一念発起して新山ひでや・やすこを結成、血の滲むような努力の末、浅草を代表する夫婦漫才になりました。去年、ある番組で師匠の夢を叶える企画がありました。師匠に夢を聞いたら、解散したえつやさんにもう一度会いたいとの事でした。実は解散してから20数年間、一度も会っておらず連絡先もわからないとの事。決して仲が悪かったわけではなくて、えつや師匠の計らいだったみたいです。そんな師匠の夢を叶えるため番組で僕とひでや師匠の2人でえつや師匠に会いに行きました。スタッフが調べたら、北海道の施設で暮らしている事がわかりました。北海道まで行きました。雪が凄くて凄くて、師匠と足滑らせながら歩きました。スタッフが事情を説明すると初めは自分のこんな姿を見せたくないとの事で、面会は拒否でした。しかし、何としても会いたいと説得したところ、熱意が通じて会う事が実現したのです。20数年ぶり、新山ひでや・えつやの再開でした。感動しました。泣きました。えつや師匠が絞り出すように「やすこさんとの漫才面白いよ」と言われた時、ひでや師匠のそれまでの、胸のつかえが取れたようでした。こんなこと言うと良くないのかもしれませんが、亡くなる前にえつや師匠に会えて本当に良かったと思います。最近ではカツラをカミングアウトして性格も明るくなりました。ギャグの通り「最高!最幸」の人生だったんじゃないでしょうか。寂しいけど、きっと今頃、青木チャンス師匠やナンセンス原田師匠と一杯やっているでしょう。師匠の分まで頑張りますからね。さようなら。