最期まで一緒に居たいんです。 | ナイトとモカとプリンとアテナとコナツついでに僕。


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僕の名前は。

薄れゆく意識の中彼は思い出していた。
もう自分の名前さえも思い出せない。
それでも切れぎれの意識の中見た光景は鮮明だった、まるで昨日の事の様に。

初めて君と出逢った時は君も僕もまだ幼い子供だった。
ショーケースに閉じ込められて独りぼっちだった僕を見つけてくれたのは君だったね。
パパやママは反対してたけど君は一生懸命お願いしてくれたね。
僕がずっと面倒見るからってお願いしてくれたね。
君のお蔭で僕には暖かい家庭が出来た。

君は言ってたね。
「男の子だけど,この名前がいい」って。
ここではもう僕には名前もなくて、今はとても苦しくて名前が何だったかは思い出せないけど、君といっぱい遊んだ事は覚えているよ。
学校から帰って来る君を待つのが僕の幸せだった。
君は急いで学校から帰って来ると毎日僕に駆け寄って来て、たくさん遊んでくれたよね。
二人で探検に行った事、僕が大好きなボール遊びにずっと付き合ってくれた事、僕が病気になった時の君の涙は忘れる事はないよ。

でも君が大人になって行くと君にはもっと大事な事や大切なものが出来た。
探検もボール遊びもしなくなって、僕が君を呼んでも君は悲しい顏をして知らない振りをして出かけて行ったね。

わかってるよ。
君がまだ僕の事を好きだって事は。
でも僕はもう君の一番じゃなくなったんだね。
僕はまた独りぼっちになったんだね。

そして僕はここに来た。
君に連れられてここに来た。
君が最後まで僕の目を見なかったのはさよならを言いたくなかったからなの?

君の事は忘れていないけど、もう家も名前も覚えていない。
もう、何も、考えられない。
目の前が暗くなってきた。
息が出来ない。
君に会いたいよ。
君に会いたいよ。
僕にはずっと君が一番だから、君に会いたいよ。

やっと思い出した、僕の名前はLOVE。
どんな意味かはわからないけど君が付けてくれた名前。

君にまた会えるかな?
また、「LOVE探検に行こう」って言ってよ。
また。「LOVE」って僕の名前を呼んでよ。

犬も猫も出逢った人によって全てが決まります。
彼等にはどうする事も出来ません。
その生死さえも人間が決めます。
頼るべき人間に見捨てられると言う事を自分に置き換えて考える事は難しい事ですか?