術中被膜破綻・・・そんなぁ(Day9) | 昔、卵巣がんだったことがあったような~(^^ゞ

昔、卵巣がんだったことがあったような~(^^ゞ

旧ブログ名は「卵巣がんでした~(T^T)→勝手に治った宣言v(^O^)/」
大学病院で卵巣腫瘍を切除
 →卵巣癌Ⅱc期ですと~ぉ(T^T)
 →もう一回手術~(T^T)
 →抗がん剤も~(T^T)
 →勝手に治った宣言v(^O^)/
 →めでたく終診\(^O^)/

5:15 トイレに起きる。術後6日目の朝。

6:00 点灯
日の出前の雲がアヤシイ雰囲気。
$卵巣切りました~ぁ-d9a

Ns.Saさんがやってきて、キズ見せてください~、というので横になる。
腹帯を開けたSaさんが「キズきれい!」と大声をあげるので、
「なんかもらえる?」とからかってみる。
・・・いや、何も出ませんが・・・と。そんなに真面目に応えなくても~。

7:00 採血
採血のあるときは前日夕方「採血カード」を渡される。
終わるまで食べ物を食べないでね、と書いてある。
自力で歩ける人はナースステーションまで行って採血してもらう。

テキパキと採血をしているNs.Suさんを見ていて、思わず、
「Suさん、キレイになったよね~」などと口走ってしまう。
数年前、初めてこの病棟に来ることになった時は、Suさん、まだ少女の顔をしていたもん。
なんか大人のオンナになったというか。

7:30 YDr.やってくる。
抜鉤予告。

ガイドラインについて質問。
妹が手に入れてくれたガイドラインは昨夜のうちにほぼ目を通していた。
自分が受けた説明とガイドラインの内容がどうも合致しない。足りない情報が多すぎる。
YDr.「僕では不十分と思いますので~」と優等生の回答。

貧血相談。今日の採血でHbが低かったら、鉄剤を処方してもらえないか、と伝える。

7:45 朝食
$卵巣切りました~ぁ-d9b
向かいのベッドのSさんとおしゃべりしながら食べたら・・・食べ終わりが8:30!

8:45 O看護師長がやってくる
婦人科がんの患者会の人が作ったという、クリスマスカードを配布していく。
$卵巣切りました~ぁ-card

全く同じ内容のカードの束から「ほい、ほい」と配給を受けるような感じで、
かなり微妙な思いになる。
このグループは大学病院の中で唯一の患者会なのだそうだが、
本当の意味でのセルフヘルプグループ(当事者の会)として活動できているのだろうか。
実態は「患者会」という仮面をかぶったサポートグループで、
医療側の都合だけで動かされていたりするのではないか、といらぬ心配をしてみたりする。

入院前に外来の看護師さんに「婦人科の患者会ってどんなですか」と訊いてみたのだが、
「はっきりいって○○さんにはお勧めしません」と言われた。
医療的にもう打つ手がなくなった方のための会なので・・・とのことだった。

9:00 朝回診
抜鉤予告。(←もうわかりましたって。。)
WDr.にガイドラインの質問。なかなかクリアな回答はしてもらえない。
自分の手術で取ったサンプルの確認をするも・・・
「それは取ったんじゃないか・・・なぁ・・・」とかなり曖昧な言い方。

明細胞癌(Clear Cell)の疑いが強い、と外来のNDr.からは教えてもらっていたのだけれど、
ガイドラインを読む限り、標準の化学療法や術式には他のセルタイプと大きな差がないようなのに、
どうして妊孕性を残す条件では「明細胞癌以外は」となっているのか、等。

知りたいことを教えてもらうにはどんなふうに質問を組み立てたらいいんだろう。

9:30 シャワー
今日は探されないように、ベッド机に「シャワーに行っています」と札を出しておいた。

10:00 Ns.Mさんやってくる。
「この部屋の方、誰もいなくて~」と。
少し前に来たら、全員どこかに行ってしまっていたみたい。

10:30 抜鉤
YDr.担当。いつもながら丁寧なお仕事。
処置室のベッドに横たわり、お腹を出す。
「なんか、緊張する~」と不安な声を出すと、「毛抜きくらいですよ~」とNs.Oさん。
YDr.が下のほうからホッチキスを外していく。
ホントに痛みは毛抜きくらい?
むしろ毛抜きのほうが痛いこともあるかも。

上まで外し終わると、代わりにテープを止めてくれる。
見ると、キズの右側にちょっと皮膚を手繰りよせてアソビをつくっている。
「これ、カサブタの代わりなので、自分ではがさないでくださいね~」と注意された。
剥がすとどうなるんですか、と訊いてみたら、
YDr.Ns.Oさん2人が声をそろえて「血が出ます!」と。。。

だいぶ前に手術を終えている同じ部屋のSさんによれば、
このテープ、お風呂に入ったりしているうちに、
1枚取れ、2枚取れ・・・1ヶ月くらいでいつのまにかなくなってしまうそう。

$卵巣切りました~ぁ-kizu2
終わると一番右のようになる。。。

続いて、退院診察(内診、経膣エコー)、WDr.
ここの大学病院の婦人科の医師たちは、内診台の向こう側では無口だ。
しゃべってはいけない、というキマリでもあるのか、と思うほど。
WDr.も無言で診察を終えて向こうへ行ってしまいそうになったので、
慌てて「問題なしですか?」と台の上から大声を出す。
それでやっと「問題なしです」と声が返ってきたけれど、
患者側から訊かなければ、検査の結果を教えないってのはどうかと思う。
内診だけでなく、血液検査も、CTも、訊かなければいつもスルーされるもん。。。
画像系の検査なんて、保険でやっても1万円以上なのに、さ!

11:00 ほっとしてぼんやり
眠くなって横になる。

12:00 昼食
「お昼ですよ~」の声で目が覚める。
$卵巣切りました~ぁ-d9l
特別な日というわけでもなさそうなのに・・・アナゴ寿し?

Nお婆ちゃんがICUから戻ってきた。
まだベッド上から動けなさそうなので、少しだけお顔を見に行って退場。
退院前にもう一度行こう。

12:50 Ns.Mさんやってくる。
退院に向けたいろいろを相談。

14:30 上の階に入院している知人のところへ行く。
知人の手術は12時間以上の大手術になったそうだ。
まだたくさんのチューブが身体についていて・・・本当にしんどそう。
あまり長居せずに戻ろうとしたら、もうちょっといてよ、と言われる。
結局「明日退院する予定」という話はできず。

15:00 職場の人たちが面会にやってくる。
お花とゼリーをいただいてしまう。
大盤振る舞いで禁断の無修正キズ写真を公開。

ありがたいけれど・・・ちょっぴり微妙な気持ちになる。
入院時に提出した質問紙にあった、
「外部からの問い合わせがあった場合には自分の病室を教えないでほしい」
という部分に丸をつけておいたはずだからだ。
患者の要望がきちんと伝わらず、全く守られていないわけで。。。

15:30 家族面会
Sさんのところにも面会の人が来ていたので、椅子を譲って、デイルームへ。

16:15 MDr.やってくる。
寒くなってベッドへ戻ると、MDr.が来て、卵巣の写真を見せてくれる、という。
複写がまだできてこないので、面談室で原本を見せる、というので一人で行く。
手術終了時に家族にしたような説明をしてくれるのかと思ったら、
「ハイどうぞ」と写真を渡されただけ。デジカメで撮影させてもらう。
卵巣切りました~ぁ-ransou1
卵巣切りました~ぁ-ransou2
右側の白っぽいもにょもにょしたところは・・・癌だべな。
たぶんコレ、長い間チョコレート嚢胞だったんだろうな。

「手術で取ったモノはこれ以外にあと何ですか?」との質問に、
MDr.は「あと子宮内膜だけです」と答えたので、
「家族は腹膜も取ったと聞いている、と言っていましたが?」と言うと、
何故かしどろもどろになってしまう。

「次回の外来の予約はまだでしたっけ?」と話をそらされてしまった。
そんなつもりで面談室へ来たわけじゃなかったのだけれど・・・
MDr.が空き枠を調べに行っている間に、机の上に残されたカルテを開いてみる。
最初のページに手術所見のサマリーがはさんであった。

文字を追っていくと、
「・・・腫瘍内容(血液、充実部)漏出。被膜破綻・・・」
の記述が目に入ってしまう。
腫瘍の中身をお腹の中にこぼしてしまった、ということ?!
腹水もあったらしく、採取したとの記述もあった。

・・・そんな話、全然聞いてないし!!

最後まで読まないうちにMDr.が戻ってきてしまい、慌ててカルテを閉じる。
年末年始を挟む上に、空枠が埋まってしまっているとのことで、
病理検査の結果を説明してもらえるまでに、結局1ヵ月以上待つことになった。

ステージングがⅠa期で済む可能性が消えてしまった。
ショックでグラグラする。


ベッドに戻るとまだ家族が待っていてくれた。
術中に被膜破綻してしまったみたいだ、と伝えた。
この手術で治療が終了する可能性が消えてしまった、と。
良くて抗がん剤、最悪再手術+抗がん剤になるよ、と。
長患いになってしまうと思う、ゴメンね、と。

17:00 ダンナだけ残る
これからの話をする。
YレディースクリニックでのIVFのこと。
今後のスケジュール、明日退院してからの生活のこと。
たぶん、治療終了までにかなり時間がかかってしまうだろうこと。

退院時に邪魔になるので、お見舞いにいただいたお花を先に持って帰ってもらう。

17:30 Ns.Sさんが退院のしおりを持ってきてくれる。
退院後、初回の外来受診までの生活で注意することを教えてもらう。
階段を上ったり、重い荷物を持ったりするのはダメ。
人込みに出かけない、お風呂につからない、などなど。
退院しても、まだまだ病人生活は続くんだなぁ、とため息が出た。

18:00 夕食
心ここにあらず。
$卵巣切りました~ぁ-d9d

食べてから、Ⅰc期以上を想定して、もう一度ガイドラインを読みなおす。

入院前に外来のNDr.からは「術中に卵巣を破いてしまうと大変だから、
悪性の疑いが少しでもあれば、腹腔鏡手術ではなく、開腹手術を勧める」と説明されている。
癒着があったのは事実らしいから、腫瘍の中身が漏れてしまったのは仕方ないのかもしれないけれど、
それを一言も本人に伝えない医師側のやりかたに納得がいかない。
破きたくて破いたわけじゃないとは思う。
しかし、破けてしまったのが事実なら、破けてしまったと、きちんと伝えてほしかった。

青グループの医師たちを信頼しはじめていたのに・・・どうしようもない不信感が心を支配する。

19:30 タロットカードを広げる
6cards。コインのナイト、死神、ワンドの6。
はっきりとした終わりと新しいはじまり。

21:00 消灯
お腹のキズに手を当てて目を閉じる。