wrote in 2008-10-02 08:00:00 corrected today
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ほんの一月前まで勤めていたスナックバーで、ママにこってりと絞られたが、また明日から雇ってくれることになり取りあえずメシの種は確保できたので、ほっと一息つけた。

でも、ボクは、どうにもイサオの部屋へ帰れず、カウンターのスツールに腰掛けたまま、もたもたと時間を潰していた。

「駄目よ、ちゃんと謝って、部屋に上げてもらいなさい。話し合わなくちゃ、始まんないわよ。」
「・・・そうなんだけどぉ。そうだよね。分かった。部屋に行ってみる。」

ボクは、力を振り絞るようにして、スツールから立ち上がり、ママにお礼を言うと店を出て行った。
道路から見上げれば、明かりが点いていて、居ることが分かった。
行かなくちゃ。

心臓の鼓動が早鐘のように打ち、過呼吸症候群になりそうなくらい浅い息をして、手足が冷たくなるほど緊張している。
アパートの階段を上りながら、もうクラクラとしてきてる。

でも、卑怯で負け犬なボクは、何事もなかったかのように、ドアノブに手を掛けると引っ張った。

「ただいまぁ。」

イサオが、振り向いてボクを見ている。
穴が開くほどに。

「あ~、疲れた。」
「おまえって奴は・・・」

ホントは、すごく怖い・・・

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