「ハアハア、ゼイゼイ」
1人の男子児童がワタクシの前で止まる。

「大丈夫?しんどいけど、
ワンちゃん助けたりやー
ほら、あそこにいてるやん」

の声に励まされたのか。
頑張って追いかけていった。



まあ、ワンコもちょっと気の毒だ。
きっと、複数の子どもたちからいじられて、
ちょっと、嫌気がさして逃げ出してみたのだろう。

さてと…
どうしようか。これで、この場を離れるか。
もう少し、あの少年少女探偵団にお付き合いするか…

と思うてる間に、
ワンコが少年少女探偵団をまいて、
戻ってきた。
疲れてきたのか?
ワンコの走るスピードも断然落ちている。

これなら、捕まえられるんじゃないかと、
リードを押さえようとしたが……あかん、
スルリと抜けていってしまった。

ちょっと、遅れて追いかけてきた
少年少女探偵団も
まだまだ余裕綽々な様子。
だったので、このへんでここからは
お暇することにした。

心の中で「少年少女探偵団ガンバレ~♪」
とエールを送った。

そして、普段通り同じ道を5分ほど
駅に向かってテクテク歩いていく。

ちょっとした空き地に、
子どもたちがたまってるなあ~と思ったら、
さっきの少年少女探偵団やん!
ワンコもちゃんといてるし、
機嫌も大丈夫そうだ。(良かった良かった。)
とニコニコしていたら、
男児女児らが口々に
お礼の言葉を言ってくれた。

「さっきは、ありがとうございました」
「一緒にさがしてもらって、
ありがとうございました」
「お世話になりました。」
「お手数をおかけしました」
大人顔負けのお礼やなあーと思いながら、
子どもたちの屈託のない言動に、
ほっこりとした日でした。