でもその場所は理想的な環境だった。
立派であることを子に望むなら
自身が立派であることを前提においてもよいのでは?
劣性遺伝子はあなたのおたまじゃくしなのだから。
母は
子のために父ともめたという。
父も同じ理由でもめたという。
お互いを感情の赴くほうに罵倒しあった理由を
子にあるという。
自分達の感情が高ぶり、傷つけあったことを
子が原因だと。
自分達の制御すら子に依存している。
どうしようもないイキモノだ。
幼くて愚かで、下らないイキモノだ。
子はそんな両親に迷惑をかけまいと独り家をあとにする。
独りなら誰にも迷惑はかけられないし
なにより誰にも私のせいにされたくなかった。
だが、どこに行っても害はなくならない。
イキモノが2つ以上存在すれば当たり前であり必然なのだと、気づくのに時間がかかった。
子は考える。
結論は極端だった。
他害を滅ぼすか
自身を滅ぼすか。
2択だ。
子は自身を滅ぼすことに損しか感じえない。
だが、他害を滅ぼす力もなければ
気力もない。
答えを曖昧にしたまま
道路の左端を目的もなく虚ろに歩いていた。